監視の目がすぐそばにあったにもかかわらず、救えなかった幼い命。
富山・高岡市のスイミングスクールで起きた死亡事故で、亡くなった笠谷拓杜ちゃん(5)の父親が、4月24日にFNNの単独取材に応じた。
笠谷拓杜ちゃんの父親:
拓杜のこと、家族のことだけを考えることは変わりない。(拓杜は)ずっと心の中にいる。もっと拓杜のことを考えていたい。
5分間水中に…5歳男児の死因は溺死
かけがえのない5歳の命が失われた事故。
司法解剖の結果、拓杜ちゃんの死因は溺死とみられることが新たに分かった。
また、拓杜ちゃんが溺れてから水中で発見されるまでに5分もの時間がかかっていたことも新たに判明。
事故はスイミングスクールの授業が終わる前の10分間、子どもたちをプールで遊ばせる“自由時間”に起きたという。
プールの水深は約120cmで、当時現場には高さ約60cmの「赤台」と呼ばれるベンチが設置されていた。
事故のあと、監視カメラを確認した指導員は、拓杜ちゃんが1人でプールに飛び込んでいたとしている。
この時、拓杜ちゃんは腰に浮き具をつけていた。しかし、プールに飛び込んだはずみでブッキングが外れ、さらにその反動で足が届かない場所に落ちたとみられている。
4人の監視体制「気の緩みがあった」
当時、プールには19人の子どもがいて、それをコーチ4人で監視する体制をとっていた。
施設の代表は、「スクール側に気の緩みがあった」と述べている。
オーパス 形田博之代表:
結局溺れるわけはないだろうと緩みが出たということだと思います。
このスクールに子どもを通わせているという保護者も、子どもが遊ぶ“自由時間”には、少し危険を感じることもあったと話す。
スクールに通う子どもの保護者:
その時(自由時間)に、先生もボール投げたり返したり一緒に遊んであげてて、ちょっと危ないかなと。結局下に人が潜ちゃうと分からなくなっちゃう。
“思い出の場所”「事故を乗り越えてほしい」父親が心境語る
拓杜ちゃんの父親は、事故が起きたプールについて、拓杜ちゃんやきょうだいがお世話になった“思い出の場所”だとも語った。
だからこそ、スクール側へは「再発防止に努め、事故を乗り越えてほしい」と話している。
笠谷拓杜ちゃんの父親:
全国に水泳が好きな小さい子どもがたくさんいる。そういう子のための場所がなくなることは、あってはならない。(施設に対し)頑張って乗り越えてほしい。
警察は施設側の安全管理に問題がなかったか、業務上過失致死の疑いを視野に詳しく調べている。
(「イット!」4月24日放送分より)