新型コロナウイルスの感染拡大が、保護された野良猫や捨て猫の行方にも影響を及ぼしている。
新たな飼い主を探す「譲渡会」を開催できず、保護団体は苦境に立たされている。
人懐っこく甘えたり、自由気ままに遊び回る猫。
仙台市内の動物愛護団体「アニマルピース」の事務所。
代表の菅原とみえさん(57)は、保健所で殺処分されるはずだった捨て猫や野良猫など21匹を事務所を兼ねた自宅で保護している。
新型コロナで里親捜しが難航
2020年で活動を始めてから23年目。
東日本大震災も乗り越えてきたが、今、大きな危機に直面している。
アニマルピース代表・菅原とみえさん:
もらい手が見つからないまま、どんどん増えて、負担が大きくなっている。感染が収まらないうちは、会場での里親探しは難しい
これまで月2回開いていた、保護したネコの里親を探す「譲渡会」。
会場には多くの人が集まるため、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、4月から開催を自粛している。
ネット上で募集するが…
代わりに菅原さんは、ウェブサイトでネコを紹介し、引き取りを希望する人を募集していたが…
アニマルピース代表・菅原とみえさん:
相手がどういう人か、判断がすごく難しい
--ウェブサイトから応募は?
アニマルピース代表・菅原とみえさん:
ない。そういう形式だと時間もとられる
ネコは繁殖力が強いため、保健所に引き取られ殺処分される件数は、イヌの10倍から20倍に上る。
保護団体などにより殺処分数は減少傾向に
宮城県内では2014年度に約2,600匹、2018年度は約1,100匹のネコが殺処分された。
それでも、殺処分が年々減っているのは、アニマルピースのような保護団体が「受け皿」になっているため。
2018年度、県内の保健所から一般に譲渡され、殺処分を免れたネコは約800匹。
このうち半数が、県内5つの保護団体への譲渡だった。
菅原さんも2019年度、保健所から170匹ものネコを引き受け、新たな里親につなげた。
アニマルピース代表・菅原とみえさん:
普段も限界だけど、コロナの状況で、救いたくても救えない
保護団体の活動停滞の影響について、県の動物愛護センターは、「今のところ、殺処分の増加が懸念されるようなひっ迫した状況ではない」としている。
一方で、5月以降は繁殖期を経て、多くの子ネコが保護される時期に入るため、「予断を許さない」と警戒している。
飼い主が意識を変えれば殺処分は…
アニマルピース代表・菅原とみえさん:
わたしたちがいくら頑張っても、(飼い主)1人ひとりの意識が変わらなければ、ずっと同じ繰り返し。本当に1人ひとりの責任だけでも果たしてもらえれば、(殺処分は)ゼロに近くなる。それが一番
(仙台放送)