大阪府・富田林市の集合住宅で、2歳の女の子が死亡した事件。女の子の死因は熱中症だった。

2歳女児を11時間放置し「USJ」へ

警察車両の後部座席に座り、移送される女。2歳の孫を自宅に長時間放置した疑いで逮捕された小野真由美容疑者(46)だ。

「女の子が息をしていなくて、かたくなっている」。119番通報があったのは、6月29日午後5時すぎだった。

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消防が大阪府富田林市の集合住宅に駆け付けると、この家に住む小野優陽ちゃん(2)がベビーサークルの中で死亡しているのが見つかった。優陽ちゃんの口元には血がついていたという。

警察は、ベビーサークルに優陽ちゃんを閉じ込め放置した保護責任者遺棄の疑いで、祖母の小野容疑者と同居の夫・桃田貴徳容疑者(50)を逮捕した。

捜査関係者によると、2人は29日、優陽ちゃんを1人残し、5歳の子ども1人と外出。向かった先は、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンだったという。自宅からの距離は直線で約27キロ。2人は自宅を出た午前5時頃から約11時間、優陽ちゃんを放置していたとみられている。

「保護が必要な児童」市が見守るも…

同じ集合住宅に住む人は、小野容疑者の印象について「普通のお母さん。下に女の子のお子さん、小さい子いるの?って言うと、『いや孫よ』とか言って、嬉しそうにお話をされてたんですけどね」と話す。

死亡した優陽ちゃんは、小野容疑者の三男の長女。小野・桃田両容疑者が引き取り、5人で暮らしてた。

富田林市は30日午後、会見を行い、優陽ちゃんが2021年6月に保育園を退園したことを明らかにした。

市の担当者は会見で「養育者である祖母の方(小野容疑者)のお仕事と、(優陽ちゃんの)保育園への送迎に関して、“しんどい部分が出てきた”ということを理由に退園されたと聞いております」と話した。富田林市は、2年前に児童相談所から連絡を受け、保護が必要な児童として見守りを続けていたという。何らかの虐待があったとみられ、市の担当者は「虐待の種別については申し上げておりませんが、要支援で見守り続けていたということは、虐待を認識していたということになります」としている。

警察は午後から優陽ちゃんの司法解剖を行い、死因は熱中症だったと先ほど発表した。胃には固形物がなく、脱水症状を引き起こしていたという。逮捕された2人は容疑を認め、以前にも優陽ちゃんを一人きりにして外出したことがあったと供述している。

(「イット!」6月30日放送)