新型コロナウイルスが影響 厳しい状況続く飲食店

緊急事態宣言以降、親しい人たちとの外食や飲み会を控える動きが広がっている。
その一方、感染のリスクを避けながら楽しむ、新たなかたちも出てきている。

高温で一気に焼き目をつけて、ミディアムに仕上げた赤身肉のステーキ。
福岡市中央区にあるフランス料理店「ビストロ ロベール エ ルイーズ」で腕を振るうのは、オーナーの原田協典さん。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で客足が遠のき、売り上げも厳しい状況が続いている。

この記事の画像(10枚)

原田協典オーナー:
具体的には40%から、3月は半分ぐらいになっているかもしれないですね。休んだとしてもかかるコストはあるので、これが長引けば、うちみたいな小さな…会社化はしていますけど、そんなに耐えられるほど体力はない

やむなく当面の間、店を休むことを決断した原田さん。
この日作っていたのは、持ち帰り専用の名付けて「飲み会セット」。
持ち帰りのメニューを出すのは、正月の「おせちセット」を除くと初めてとなるという。
彩り豊かな7品には、赤身肉のステーキも添えられる。冷めても、おいしく、お酒に合うラインアップとなっている。

客:
おいしそう

事前に予約していた常連客が、続々と受け取りに来た。
その中の1人、山内亜紀子さん。実は、この「飲み会セット」の発案者。
そのきっかけは…。

山内亜紀子さん:
ここで4人でご飯を食べているみたいに、各自、家でオンラインでつないで飲むみたいなのをやってみようかなと思って

今、SNSを中心に話題になっているオンライン飲み会。
スマホやパソコン上で楽しむ飲み会のことだが、いったいどんな雰囲気なのか、山内さんの自宅で見せてもらった。

“コロナショック”で注目 大きなメリットも

山内亜紀子さん:
きたきた! これで全員

時間は午後8時。パソコンの画面に同じ「飲み会セット」をテイクアウトした常連たちが映し出された。

参加者:
ちょっと待って、みんな注いだ? 注いで、注いで。全員手酌ですけど

参加者:
じゃあ乾杯します。かんぱーい!

使うのは、ビデオ通話のアプリ。部屋にいるのは山内さん1人だが、早くも画面の向こうのメンバーと盛り上がる。

参加者:
次、何食べる? キッシュ?

参加者:
キッシュかな

参加者:
ホウレンソウ?

参加者:
ホウレンソウとベーコンって言ってました

参加者:
ちょっと温めてもいいかしら

参加者:
どうぞ

参加者:
じゃあ、ちょっと失礼

オンライン飲み会の最大のメリットは、物理的に他人と接触する機会を減らせること。また、会場がそれぞれの自宅なので、飲み会の最中に別の用事を済ませたり、終電の時間を気にしなくてよかったりとメリットが大きいという。
さらに今回は、みんなで同じメニューを囲んだのも臨場感があると好評だった。

参加者:
同じものを食べるっていうのは、すごくいいと思う

参加者:
時代の変化が訪れた感じがして、その変化がちょっと面白いかなと

山内亜紀子さん:
家飲みは(これまでも)しているんですけど、そうするとお店の収益はなくなるから、お店にお金を払って家飲みをしたいと思って。コロナが落ち着いたころにお店がなくなっていたら困るので

最後は、アプリからログアウトするだけ。
スタートからおよそ1時間半、次回の約束をして、この日のオンライン飲み会はお開きとなった。

山内亜紀子さん:
次のステップは、同じお店のお客さん同士がオンラインでつながって、例えばカウンターの隣同士にたまたまなって仲良くなって…というようなことが起こったらいいなと思います

コロナショックで一躍注目されるオンライン飲み会。ピンチを迎えた飲食店を支える取り組みにもなっているようす。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。