新型コロナの感染拡大に便乗した悪質な電話やメールが増加

いまや世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス。

ついにはWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が、世界的な流行を示す“パンデミック”に相当すると表明した。

日本でも感染拡大は止まらず、その見えない不安からかマスクや消毒用アルコールの品不足、さらに「トイレットペーパーが品薄になる」といったデマまでが一時広がった。

こうした中、新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した悪質な電話やメールも相次いでいるという。

例えば、「マスクを無料送付するので、確認お願いします」というメールがスマホに届き、URLをクリックすると個人情報が盗まれてしまうというもの。

実際、国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどにこのような新型コロナウイルスに便乗した悪質な詐欺などの相談が寄せられているというのだ。

では、具体的にはどのような手口で行われ、私たちはどう対策をすべきなのだろうか?
国民生活センターの担当者に詳しく話を聞いた。

マスクを無料送付、下水道に新型コロナウイルスが…

――これまでにどのくらいの相談件数があった?

新型コロナウイルスに便乗した悪質商法だけに絞った件数はお答えできませんが、「マスクが買えない、旅行をキャンセルしたい」といったものを含んだ新型コロナウイルスに関連した相談件数は昨年の12月1日~3月10日までで3096件です。

新型コロナウイルスに便乗した悪質商法もこの中に含まれております。


――悪質なものにはどんな手口がある?

例えば、このようなものがあります。

【事例1】マスクを無料送付するというメッセージがスマートフォンに届いた。

「新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、マスクを無料送付する。確認をお願いします」と記載され、URLが付いたSMS(ショートメッセージ)がスマートフォンに届いた。

マスクの入手が困難な状況に便乗し、「マスクを無料で送付する」などと消費者の関心を惹き、メッセージ内のURLをクリックさせる手口と思われる相談が寄せられています。URLにアクセスすると、フィッシングサイトに誘導され、スマートフォンに不正なアプリがインストールされたり、個人情報を取得されたりする可能性があります。

――他にはどんな手口がある?

【事例2】新型コロナウイルス流行拡大の影響で金の相場が上がるとして、金を買う権利を申し込むように言われた。

突然自宅を訪問してきた業者から、「新型コロナウイルスの影響で中国の経済がガタガタになっている。金の相場が上がることは間違いない。今申し込めば、高騰する前の金額で金を買う枠が当たるかもしれないから、すぐに申し込んだ方が良い」と勧誘された。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動への影響を口実にして、「金の相場が上がることは間違いない」等、怪しい投資を勧誘されたという相談が寄せられています。


【事例3】下水道に新型コロナウイルスが含まれているかもしれない。調査するので住所を教えて欲しい 。

水道会社を名乗る男から「下水道に新型コロナウイルスが含まれているかもしれない。調査するので住所を教えて欲しい」という電話があった。この場合、住所を教えると自宅に来て、高額な商品を勧誘される可能性があります。

新型インフル、台風15号の際にも悪質詐欺は増加

――こういった詐欺は、日本に何か大きな被害が出た際に増えるもの?

それはあるかと思います。

2009年に新型インフルエンザが流行した際には、「100錠8千円の薬があるから、買わないか?」という勧誘の電話がありました。

昨年の台風15号の際には、訪問業者から「台風がもうすぐ来るのですぐ工事をしないと危険だ」と急かされ、工事の勧誘がありました。

また、電力会社の社長をかたる男から「停電で迷惑かけたので抽選で数十万円振り込むのでポイントを購入するように」というメールが送られて来ることもあります。

今後予想される手口は新型コロナウイルスに効く薬の販売

――今後、どんな悪質な詐欺の手口が出てきそう?

新型インフルエンザの時のように、新型コロナウイルスに効く薬が100錠○○円で買わないか?という勧誘です。今後、品薄になりそうな商品を無料で送ります!といったメールが送られてくることも考えられます。

心当たりのないメールのURLは開かない 絶対お金を支払わないようにしてください。

――では、私たちはどのような対策を取ればよいのか?

事例1のような心当たりのない不審な送信元からメール等が届いた場合、メールに記載された URL には絶対にアクセスしないようにしましょう。また、実在する事業者名等が記載されていた場合でも、メール内の番号に電話したり、URLをクリックしたりせず、不安に思ったら、事業者のホームページや問い合わせ窓口に確認しましょう。ホームページ上に注意喚起情報が掲載されていることもあります。

事例2のような話に少しでも怪しいと思うところがあったら、その場できっぱりと断り、絶対にお金を支払ったり、契約したりしないようにしましょう。

不審に思った場合や、トラブルにあった場合は、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう 。今後、新たな手口の勧誘が行われる可能性があります。少しでもおかしいと感じたら早めにご相談ください。

*消費者ホットライン:「188(いやや!)」番 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号。

(画像はイメージ)

国民生活センターでは、3月12日にも「行政機関名をかたる電話、行政から委託されたという業者からの電話には応じないようにしましょう」と新たな悪質な事例を紹介し、注意喚起している。

担当者がアドバイスするように、基本的な対策ではあるが「怪しいメールは開かない」「怪しい電話はきっぱり断る」「不審に思った場合は、最寄りの消費者生活センター等に相談する」ことがやはり大事なようだ。

まだ先が見えない新型コロナウイルスへの不安で、今は正常な判断ができない人もいるかもしれない。しかしこんな状況だからこそ、まずは冷静になってほしい。


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