失速した中国のシェアサイクルビジネス

中国の都市で一時爆発的に増加したシェア自転車。
2019年8月時点で中国360都市に1950万台のシェア自転車があり、 登録済みのアカウントは3億以上、1日平均4700万回の乗車がある。

しかしその台数はここ数年で激減した。
投資ありきではじめた企業は破綻や経営悪化が相次ぎ2017年には最大77社が参入したが、現在は10社以下になっている。

上海市では2017年に最大170万台あったこれらの自転車は2019年には50万台と、当初の3割程度に減った。

廃棄された自転車は今・・・

空から見ると壮大なお花畑のように見えるが、実はすべて廃棄された自転車だ
空から見ると壮大なお花畑のように見えるが、実はすべて廃棄された自転車だ
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「減った」自転車はどこへ行ったのか。

映像はすべて中国で過剰生産により廃棄されたシェア自転車だ。
会社ごとに保管され、それぞれのカラーで空から見ると壮大なお花畑のようにも見える。
過当競争により大量の自転車が飽和状態で街にあふれた結果、撤去され保管場やゴミ廃棄場へ運び込まれる運命に。

撤去には税金が使われ国民はあきらめ顔・・・
撤去には税金が使われ国民はあきらめ顔・・・

撤去は当初企業がしていたがペースが追い付かず、その後政府が強制的に排除したり、台数制限などの措置をとることとなった。
撤去に税金が使われていることに国民はもはやあきらめ顔である。

シェア自転車の「墓場」は全国へ拡大

2020年末までに中国で廃棄される自転車は1000万台近くにものぼるといわれている。

このようなシェア自転車の「墓場」が中国全土に広がっている。
中国では投資から廃棄まですべてが日本では考えられない恐ろしいスピードで物事が進んでいる。

2020年末までに中国で廃棄される自転車は1000万台近くにものぼると言われる
2020年末までに中国で廃棄される自転車は1000万台近くにものぼると言われる

【取材:フジテレビ 国際取材部】

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国際取材部
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