プラスチックごみ収集日に…ポリ袋に子猫4匹

2週間ほど前に撮影された、高知市高須のごみ捨て場。
捨てられたポリ袋の中に、生まれたばかりの子猫が入っていた。

コロナ禍の中で、ペットを捨てる飼い主が増えているという。
「かわいいだけで、安易に飼わない」。
今、あらためて問われる、飼う側の責任とは。

元気に鳴きながらじゃれあう、4匹の子猫たち。

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愛情を受けて、すくすく育っている。

しかし、この子猫たちは2週間前のプラスチックごみの収集日に、高知市高須のゴミ捨て場に捨てられていた。
容器に押し込まれ、ポリ袋に入れられた4匹。袋の口は“固く”縛られていた。
生まれたばかりで、まだ目も開いていなかった。

NPO法人アニマルサポート高知家・吉本由美理事長:
捨てられた状況が今回は酷かったので、体も濡れてて地肌も見えてたし、低体温になる可能性も高かったので、本当に残酷。早く助けてあげたいという気持ちだけでした

午前7時ごろ、通りかかった人が小さなSOSに気付き、警察に通報。
動物の保護や譲渡会を行うNPO法人、アニマルサポート高知家のスタッフに引き取られ、九死に一生を得た。

NPO法人アニマルサポート高知家・吉本由美理事長:
夜から捨てられてた可能性もありますよね

ボランティアスタッフ・伊藤由美さん:
人目につかないよう暗いうちに

NPO法人アニマルサポート高知家・吉本由美理事長:
頑張ったよね。生きるべくして生きちゅう

癒し求め買い始めるも…コロナ禍で急増するペット遺棄

スタッフは、高知市で子猫の遺棄が増えていると話す。

「餌やりやトイレの世話が大変で、保護してほしい」など、この団体には2021年4月から120件を超える相談があった。

ボランティアスタッフ・伊藤由美さん:
もしかしたら誰かが助けてくれるかもしれないという、“無責任な望み”で捨てられたかもしれないけれど、捨てたことには違いないし、許せない

遺棄の背景には、新型コロナの影響も。

高知県内のペットショップによると、自宅で過ごす時間が長くなり、癒やしを求めて犬や猫などを飼い始める人が急増しているという。

しかし、「想像より世話が大変だった」「ペットが子どもを生んで育てられなくなった」などの理由から、飼育を放棄する飼い主も増えている。

NPO法人アニマルサポート高知家・吉本由美理事長:
後ろ髪を引かれるような思いで遺棄する方もいると思うが、どこへ電話したらいいのか、誰に相談したらいいのかわからないのが一番よくなくて。行政に相談窓口をつくっていただだくことが一番の早道だと思う

「命」迎え入れる覚悟…問われる“飼う側”の責任

2019年6月、動物愛護法が改正された。
飼い主がペットを捨てた場合、これまで100万円以下の罰金刑だけだったが、1年以下の懲役刑が加わり、厳罰化されている。

高知県警は2019年からの3年間で、犬や猫を遺棄したとして、3件を検挙している。

遺棄されるペットを減らすために、私たちにできることとは。

NPO法人アニマルサポート高知家・吉本由美理事長:
ペットショップに行けばかわいいですよね。命を全うするまで自分たちの家族として迎え入れるということをもっと考えて、安易にかわいいだけで迎え入れないでほしい

家族として、新たな「命」を迎え入れる覚悟はあるか。
コロナ禍の中で、私たち“飼う側”の責任があらためて問われている。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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