“インスタ映え”するものの定番ともいえるラテアート。
オシャレな模様だったり、かわいい絵が描いてあったりと、SNSにアップされているのをよく目にする。

こうした中、ちょっと変わったラテアートが話題になっているので、その作品を実際に見ていただきたい。
 

 
 
この記事の画像(5枚)

ミルクとエスプレッソが注ぎ込まれ、混ざり合っている。ただ、我々がイメージするラテアートといわれるデザインにはまだなっていない。

コーヒーカップがない違和感にお気づきだと思うが、実はこれは糸で製作されたものなのだ。
つまり、カフェラテを刺繍で表現した“ラテアート”というわけだ。

 

「糸でカフェラテいれました!フレンチノット刺繍です。」

この作品を制作し、投稿したのは刺繍画家のipnot(@ipnot)さん。
あまりのクオリティの高さに、Twitterのユーザーからは「凄いですねー本物にしか見えませんでした。ビックリ」「細かく再現されてますねぇ!カフェラテ飲みたくなりました」などの驚きと称賛の声があり、約2万8千件のリツイート、約13万8千件のいいねがつき、大きな反響となっている。(8月8日現在)

どうやったら糸でこれほどまで精巧な作品を制作することができるのだろう。制作者のipnotさんにお話を伺った。
 

森永乳業からお話をいただいた

ーー作品をつくろうと思ったきっかけは?

森永乳業マウントレーニアとのコラボレーションとしてお話をいただいたのがきっかけです。 コラボレーションは2018年の秋冬のものです。

 

ーーなぜコーヒーを題材に選んだ?ラテアートをSNSにあげている人が多いからということもある?

お話をいただいた時点でマウントレーニアのカフェラテが題材でした。
カフェラテの混ざり合う瞬間のシズル感を刺繍で表現するデザインの説明を受けている段階からすぐにでも制作に取り掛かりたいほど楽しみな企画でした。2018年初めに個人でコーヒー刺繍を制作しましたがそちらは500円サイズ。
マウントレーニアのコーヒー刺繍はその何倍もの実物大で制作したので、よりディテールに凝った刺繍ができました。

 

きっかけとなった作品
きっかけとなった作品

ーー作品の制作手順を教えて

カフェラテ刺繍の参考写真の撮影。ミルクとエスプレッソの混ざり合う瞬間の資料を集めたり、実際に撮影をしました。
⇒デザイン案
⇒刺繍(フレンチノットの技法で点描画のように糸で描いていきます)
まず布に下絵を描き、次にフレンチノットの技法で一粒一粒埋めて点描画のように絵を描いていきます。
フレンチノットとは糸に針を巻きつけて玉留めのように縫うステッチ(縫い方)のことです。一粒が1mmほどです。

⇒撮影小道具の制作カップに注ぎ込まれるミルクやエスプレッソの部分やカップなど
⇒作品撮影


ーー元となる写真はある?

1枚ではなく厳選した何十枚かをデザインで組み合わせています。

 

納得いくシズル感が出るまで調節

ーー制作する上で苦労した点は?

デザイン案を考える上で必要な参考写真の撮影には時間をかけました。
エスプレッソとミルクが混ざる瞬間はTVのCMでは見たことあるけれど実際やってみるとCMのように綺麗に混ざらなくて。
渦を巻きながら泡もちょうどよく美味しそうに混ざり合う瞬間を捉える為に何度もカフェラテを作り、撮影しました。
ミルクや生クリーム、醤油やボンドを使ってみたり温度調節も…まるで何かの実験のようでした。大変でしたが楽しかったです。


ーー制作する上でこだわった部分は?

エスプレッソとミルクが混ざり合う部分の比率です。納得いくシズル感が出るまで少しずつ糸を足して調節していきました。


ーー制作にかかった期間は?

制作スケジュールがタイトでしたので3週間ほどで仕上げたと思います。


ーー作品の反響は?

投稿してすぐに反響があり私も驚きました。マウントレーニアファンの方々も喜んでくださったり、日本だけでなく様々な国の方がメッセージをくださいました。「フレンチノット」というワードに対して反応いただくことが増えたこともとても嬉しいです。


ーーコーヒー以外で作っている作品はある?

ピザやお餅など食べ物の刺繍が多いですが動物なども縫っています。現時点で約400点は縫っていると思います。

 

刺繍で作ったピザ
刺繍で作ったピザ
刺繍で作ったバナナ
刺繍で作ったバナナ

ーーいわゆるデザインされた「ラテアート」の刺繍版に挑戦する予定はある?

今のところ予定は無いですが刺繍欲を刺激してくるラテアートに出会ってしまったらきっと縫わずにはいられないのだろうなと思います。


他の作品を見ても本物と見まがうような精巧な作りで見事なアートだ。
今回のラテアートは森永乳業からの話で始まったというが、刺繍欲を刺激するいわゆる「ラテアート」に出会ってipnotさんの“映える”作品がまた見られることを期待したい。