山形市の文翔館前の県道が、社会実験の一環で「一方通行」になる。通勤・通学の時間帯には車・人・自転車が多く行き交う場所を一方通行化することにどのようなねらいがあるのか、取材してきた。
山形市旅籠町の県道19号。
山形市役所・文翔館、周辺には企業や学校も多く、通勤・通学の時間帯には車に加え多くの人や自転車も行き交う。
この文翔館周辺のエリアでは、県と市が2024年から“ある街づくり”を進めている。
(県村山総合支庁都市計画課・五十嵐淳博主査)
「今まで車中心だった街から人中心の、居心地が良く歩きたくなる街を作っていこうということで、昨年度ウォーカブル基本構想というのをまとめた」
しかし…。
(県村山総合支庁都市計画課・五十嵐淳博主査)
「市役所前の通りを見てみると、歩道が狭くて自転車と歩行者が混在していて、接触のおそれがあるという現状」
この周辺は、“街歩き”をするには危険な道路や歩道の構造だった。
その1つが自転車。
道路交通法で自転車は「軽車両」に位置づけられていて、原則、車道の左側を通行しなければならない。
しかしこの場所では、多くの自転車が歩道を通行している。
(リポート)
「自転車が歩道を通る要因の1つが、路肩の狭さです。車やバスなど交通量が多いので、この狭さは少し怖いと感じます」
国が自転車レーンに望ましいとしている幅は「1.5メートル以上」。
対してこの場所の路肩は約70センチと、半分以下だった。
この自転車の通行をどうするかが、“街歩き”を楽しめるエリアにするための大きなポイントとなっている。
これまでは非常に狭い道を自転車が通らなければいけなかった。
市役所前の通りを詳しく図で見てみると、七日町交差点から文翔館前までの約260メートルは南進1車線と北進2車線の計3車線となっている。
(内構アナ)
「東さん、この道を通ったことありますか?」
(東アナ)
「山形に来てクルマを運転するようになってから、構造が複雑で難しいと感じた覚えがあります」
(内構アナ)
「高校生の時にこの道を自転車でよく通ったが、車ととても近くて怖い…と思った記憶があります」
そこで県は、31日から県道19号で社会実験を行うことにした。
まず道路の両側に約2メートルの自転車レーンを設ける。
国が望ましいとする「1.5メートル」に比べかなり広い。
ただ、広い自転車レーンを作ると車道が狭くなってしまう。
そのため、車線を1つ減らす。
交通量の少なかった南進車線をなくし、文翔館に向う北進の2車線だけを残す。
つまり一方通行にすることで構造をシンプルにする。
これには道路を管理する県も大きな期待を寄せている。
(県村山総合支庁都市計画課・五十嵐淳博主査)
「一番は自転車と歩行者が安全になったかということの確認をしていく。一方通行化で人の流れが変わったり、歩きやすくなったりすると、街自体も少し変わっていくかなと。人の動きも変わっていって、それが活性化につながっていけばいいなということを将来的には目指していく」
今回の社会実験では、バスの運行ルートの一部変更なども伴い、さまざまな視点での確認が必要になる。
県は、渋滞が発生するか、バスの利便性・安全性も踏まえながら、より良い道路のあり方を検証していくとしている。
この社会実験は、2027年9月まで行われる。
一方通行化の工事のため、30日~11月3日の朝、午後9時~午前6時まで全面通行止となるので注意してほしい。
この取り組みで歩く人の安全が守られるだけでなく、人の流れが生まれ、中心市街地のにぎわい創出にもつながる良い循環が生まれれば。
今後、この社会実験がどのような成果を出したかあらためて伝える。
