マウンテンバイクの全日本選手権で初優勝を果たした高校2年生です。小1から競技を始め、父と二人三脚でつかんだ日本一。片道24キロの自転車通学など、重ねた努力が実を結び、初の栄冠につながりました。
■父と二人三脚でつかんだ「日本一」
舗装されていない山道や急な斜面を走るマウンテンバイク。自転車を巧みに操るのは、長野県伊那市に住む赤穂高校2年の小坂柊矢選手(16)です。
小坂選手が行う「クロスカントリー」は、急な斜面をのぼる持久力やパワー、スピードを落とさずに走るコース取りやテクニックが必要な競技です。
この競技の全国大会で、小坂選手は2026年7月、日本一に輝きました。
小坂柊矢選手:
「信じられないというのは一番大きかった。表彰台に立ってから本当に勝ったんだなという実感が湧いてうれしかった」
監督は父の学さん(46)です。同じマウンテンバイクの経験者で、ここまで二人三脚でやってきました。
小坂柊矢選手:
「サングラスの色とかも『これでいこうかな』というと『さすがに暗いんじゃない』と言われ、変えると走りやすかったり。信頼している」
柊矢さんの監督 父親・学さん:
「勝てなかった時期にワーワー言ったことがあるんですよ。目いっぱい頑張っている人に頑張れと言っても、『もう頑張ってるわ』と。自分で考えて走らせるのが一番いいかな」
■山を走ったら「テンション上がって」
小坂選手がマウンテンバイクを始めたのは小学1年の時。祖父にマウンテンバイクを買ってもらったのがきっかけでした。
小坂柊矢選手:
「見た目がかっこいいんですよね。小学生の僕からすると見た目って結構大事。山を走ってみたら、テンション上がってきちゃって」
それからこの競技にはまり、小学3年の頃には、「ジュニアオリンピック」にも出場。
中学に入ると、本格的に取り組み、日本一を目指すようになりました。
■最終盤で逆転!夢の「優勝」
そして、2026年7月、安曇野市で行われた全日本選手権。国内最高峰の大会で、約3.8キロの難コースを4周します。
小坂選手は「クロスカントリー」の13歳から16歳の部に出場し、全国のライバル29人と競いました。
レース序盤は先頭集団争いを繰り広げ、中盤からは2番手の位置をキープ。先頭にピッタリとついていきます。
そしてレース最終盤―。
実況:
「前に来た!小坂が前です。タイトル獲得!」
見事、日本一に!
中学2年から毎年出場し、目標にしていた全日本選手権での優勝でした。
小坂柊矢選手:
「レース活動始めて大きな夢として全日本で勝つというのがあったので、その夢がかなって、本当に勝ったんだという実感と、信じられないという自分もいて、不思議な気持ち」
初優勝に両親は―。
父親・学さん:
「レース進行中は全く状況が見えてなくて、周りの保護者から『早く行けよ』と『息子、優勝したんだから早く行けよ』と言われて。その時、初めて優勝したのを知って、本当にうれしかったよね」
母親・美智代さん:
「ゴールを見て、迎えられたというのはすごくうれしくて。ゴールした後、息子の方に行って『おめでとう』と。とてもうれしかったです」
■父「本気度が違う」サポートに専念
全日本選手権の会場にもなった安曇野市のマウンテンバイクコース。起伏に富んだコースで実戦練習ができ、多くて月に2回ほど、練習を行っています。
父の学さんはマウンテンバイクの経験者でしたが、3年ほど前に競技をやめ、サポートに専念することにしました。
父親・学さん:
「(柊矢の)本気度も違ったので、遊び半分でやりたいと言うなら本気度見せてよとなるけど、言わずとも目が違った。面白いしね、やってればね。全力サポートして息子が結果出して、それが楽しみ」
練習や大会の後には、自宅の車庫の中で、学さんが自転車のメンテナンスを行います。
小坂柊矢選手:
「異常があったら言って直してくれるので、安心して走れるな」
車庫にあるたくさんの自転車は、2人がこれまでに乗ってきた自転車です。
祖父に買ってもらった自転車も―。
小坂柊矢選手:
「この時期が一番、単に楽しんでいた。大事なものです」
■片道24kmの自転車通学
午前7時すぎ―。
平日の朝、車庫からマウンテンバイクをとり出した小坂選手。どこに行くのかというとー。
小坂柊矢選手:
「駒ケ根市にある赤穂高校まで登校します」
小坂選手は高校までマウンテンバイクで通学していて、その距離はなんと片道24キロ!
家があるのは伊那市福島。そこから県道19号を南に進み、標高約850メートルの火山峠を越え、駒ケ根市にある赤穂高校まで24キロの道のりです。
上り坂を走りぬくパワーと持久力をつけるため、高校入学時から続けています。これもトレーニングの一環です。
自宅を出てから約1時間。学校に到着しました。
小坂柊矢選手:
「結構きつかった。体力ついて、(他の)人より速く走れるのがモチベーションになっています。単純に自転車が好きなので、乗っているスピード感もモチベーションに」
■「いつも応援」友人の支えに感謝
友人たちとのお昼の時間。
小坂柊矢さん:
「何話している?おれらいつも」
同級生:
「映画とかMrs.GREEN APPLEとかじゃない?」
友人から見た小坂選手は―。
同級生:
「クラスの中では、一番元気がよくて授業中もよく発言したりする。すごいですよね、身近な人が日本一というのは」
「自転車やってる時のイメージと学校のイメージと全然違う。自転車の時はマジになる。学校のときは明るい。いつも応援してます」
小坂柊矢さん:
「応援してくれているのも、心の支えになっている。ありがたいな」
■日本一から「世界の舞台」へ
友人や家族の支えを受け、日本一に輝いた小坂選手。
高校2年生の16歳はまだ発展途上です。
父と二人三脚で、目指すのは、「世界」の舞台です。
小坂柊矢選手:
「周りからの応援に応えなきゃというのもあるし、一番は、僕はこの競技が好きで、この競技で勝ちたいという、それが一番の原動力。もっと大会で結果出して、ゆくゆくは世界選手権とかワールドカップに出られたらうれしい」
