奈良県は23日、ことし8月下旬から10月上旬にかけて、奈良市の興福寺と東大寺の境内などで、「体の一部が欠損した」子ジカの死骸が合わせて4体見つかったと発表した。
県によると、「専門機関によると、野生動物の捕食で死亡した可能性は低い 」ということで、現在、県や警察などが警戒を強化している。
また、県や東大寺、興福寺、奈良の鹿愛護会は臨時の共同記者会見を23日午前に開いていて、東大寺の関係者は「原因がどうであっても不自然さを感じました。心を痛めている」とコメントした。
■東大寺、興福寺、奈良の鹿愛護会の受け止め
東大寺:原因がどうであっても、不自然さを感じました。特に心を痛めています。どのような形で行われたかはわかりませんが今後の調査を見守りたい。みな心を痛めているところです。
興福寺:興福寺においては、動物に襲われた可能性は高いと考えております。人による加害の行為の場合が排除できないこともあるので、今回協力させていただいております。おそらく報道後、ニュースを見られたりする方は冷静に受け止めて見守っていただきたい。
奈良の鹿愛護会:年間300頭程度の死亡個体を収容しています。我々はいままで伝染病対策に注視してきました。短期間の間に4件出てしまったというのは、私どももそういう(注意の)目を強化して、同じ死亡個体でも人的可能性があるようなケースという見方をして、速やかに県や警察に連絡できる体制を今も取っておりますが、注視していきたい。

■事案の経緯は…
県などによると、ことし8月21日、興福寺北参道の「奈良県文化財保存事務所」の付近で子ジカの死骸が見つかった。
また8月27日には東大寺大仏殿東側付近で、9月17日には東大寺大仏殿西側付近で、10月1日には興福寺境内西部の回廊跡付近でも、子ジカの死骸が見つかった。
いずれも、体の一部が欠損していたということだ。
県が専門機関に照会したところ、「野生動物による捕食で死亡した可能性は低い」ということだ。
奈良県の山下知事は、子ジカの体のどこの部分か欠けていたのかについて「人による加害行為だった場合は犯人にしか知り得ない情報で、明らかにすると支障が生じるおそれがある」として言及を控えた。

■県や警察が警戒を強化
その一方で、「人による加害行為」だった場合、文化財保護法や廃棄物処理法に違反する可能性もあるとして、県は今月15日に警察に情報提供した。
現在、県や奈良の鹿愛護会、興福寺、東大寺がパトロールを強化するとともに、警察も警戒を強化しているということだ。
県は、「夜間に1人で奈良公園周辺を歩く場合などには十分な注意を」としたうえで、情報提供を呼び掛けている。
情報提供先:奈良県観光局 奈良公園室 0570-06-6665
※県は「事案の解決に直接関係のないご意見の連絡につきましては、回線をふさいでしまうことにより必要な情報提供を受けられなくなるおそれや、現場で全力を挙げている再発防止の取組などに支障を及ぼす可能性があるため、お控えください」としている。

