プレスリリース配信元:株式会社メディカルノート
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(東京都港区、理事長:中川 尚志、以下「日耳鼻」)と、株式会社メディカルノート(東京都港区、代表取締役:小林 裕貴、以下「メディカルノート」)は、一般市民を対象とした「耳鼻咽喉科・頭頸部外科に関する認知度調査(第3回)」を共同で実施いたしました。
■ 調査の目的
2023年に行った第2回調査と同様の設問で、メディカルノートが運営する医療・ヘルスケアプラットフォーム「Medical Note」の会員(医療従事者を除く)に対し、耳鼻咽喉科で治療できる症状や病気について認知しているかどうかを調査しています。
■ 総括
第3回(2026年度)調査のデータを過去2回と比較したところ、重要疾患の認知度において、約10ポイント前後の改善が確認され、日耳鼻による継続的な啓発活動の効果が示されました。一方で、特定の自覚症状が耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門領域であるという理解には、依然として症状別にばらつきが見られます。単に病名などの知識を広めるだけでなく、「このような症状のときは耳鼻咽喉科・頭頸部外科へ行く」という初期受診行動に結びつけるための多角的な情報発信の重要性が、今回の分析からも示唆されました。
■ 調査サマリー
1.治療できる「症状」:自覚症状「声が出しづらくなった」の認知度が86.0%に到達、「首の腫れ」も改善傾向
Q.下記のうち、耳鼻咽喉科で治療ができると思われる「症状」をすべて選んでください。

様々な症状を並べ、「耳鼻咽喉科で治療ができると思われる症状をすべて選んでください」と質問したところ、耳鼻咽喉科が専門とする「顔の動きが悪くなった(顔面神経麻痺)」を耳鼻咽喉科で治療できると回答したのは22.0%(第1回2021年:18.5%、第2回2023年:18.0%)にとどまり、過去2回の調査と比較してやや増加したものの、依然として低い認知度にとどまった。「首が腫れた」は46.0%(2021年:37.5%、2023年:39.5%)、「舌が腫れた」は51.0%(2021年:51.5%、2023年:51.5%)の人しか耳鼻咽喉科で治療できることを認知していなかったものの、「首が腫れた」については前回調査よりも認識の向上がみられた。「声が出しづらくなった」は86.0%(2021年:74.5%、2023年:77.0%)と大幅な改善傾向にあり、「のどが痛い」は95.0%(2021年:94.0%、2023年:94.5%)と高い認知を維持した。「めまいがする」は50.0%(2021年:49.0%、2023年:55.5%)であった。
一部項目では変化に乏しいものの、「首が腫れた」や「声が出しづらくなった」については向上傾向が見られており、『首・のどの症状=耳鼻咽喉科』という想起が強まっていることが窺える。
2.検査・治療できる「がん」:甲状腺がんの認知度が前回より回復
Q.下記のうち、耳鼻咽喉科で検査・治療ができると思われる「がん」をすべて選んでください。

耳鼻咽喉科が治療可能ながんを並べ、「耳鼻咽喉科で検査・治療ができると思われる"がん"をすべて選んでください」と質問したところ、耳鼻咽喉科が専門とする舌がんでも66.5%(2021年:63.5%、2023年:65.5%)、甲状腺がんは37.5%(2021年:32.5%、2023年:26.0%)の人にしか耳鼻咽喉科で治療できることが認知されていなかった。ただし、甲状腺がんについては第2回調査(26.0%)から第3回(37.5%)に向けて改善が見られ、第1回調査と比較しても5.0%向上した。上顎がんの認知は59.5%(2021年:55.0%、2023年:60.5%)と横ばいであった。一方、咽頭がん(97.5%、2021年:100.0%、2023年:99.0%)、喉頭がん(93.5%、2021年:96.0%、2023年:93.5%)については高い認知度が維持されている。
また、耳鼻咽喉科で治療できると思われる症状について質問した結果と照合すると、「舌が腫れた」を選択した人(102名)のうち、舌がんが耳鼻咽喉科で治療できると知っていた人は94名(92.2%)と高率であったのに対し、「舌が腫れた」を選択しなかった人(98名)のうち舌がんが同科で治療できると知っていた人は39名(39.8%)にとどまった。

同様に、「首が腫れた」を選択した人(92名)のうち、甲状腺がんが耳鼻咽喉科で治療できることを知っていた人は46名(50.0%)であった一方、「首が腫れた」を選択しなかった人(108名)のうち甲状腺がんが同科で治療できることを知っていた人は29名(26.9%)であった。それらの症状を耳鼻咽喉科で治療できると考えない群では、考える群に比べて、がんが治療できることを知らない傾向が今回も確認され、この傾向は第1回、第2回調査と一致していた。

舌や首の腫れなどの初期自覚症状が現れた際に「正しい受診先」である耳鼻咽喉科・頭頸部外科を想起できているか否かが、その後のがんの早期発見・専門治療へのアクセスにつながる可能性が示された。単に病名を知るだけでなく、「このような症状のときはここへ行く」という初期受診行動の重要性が示唆される結果となった。
3.治療できる「病気」:顔面神経麻痺の認知度が初の30%台へ到達、その他認知向上が見られる重要疾患も
Q.下記のうち、耳鼻咽喉科で治療ができると思われる「病気」をすべて選んでください。

耳鼻咽喉科が専門とする各種の病気についても同様に尋ねたところ、花粉症(92.5%)、慢性副鼻腔(びくう)炎(蓄膿〈ちくのう〉症)(97.0%)、中耳炎(96.0%)、扁桃(へんとう)炎(90.0%)、嗅覚障害(79.0%)、声帯ポリープ(76.5%)、味覚障害(65.5%)については理解度が高かった。一方、顔面神経麻痺(30.5%、2021年:23.5%、2023年:20.0%)は過去調査と比較して改善傾向にあるものの、依然として低い認識にとどまっていることが改めて確認された。睡眠時無呼吸症候群(47.5%、2021年:51.0%、2023年:46.0%)も改善がみられていない。また、メニエール病(62.5%、2021年:61.0%、2023年:68.0%)も継続的な啓発が必要な疾患として挙げられる。疾患によって認知度に差が見られ、継続的な啓発が必要な疾患は数多く存在することが示された。
4.名称変更の印象:学会名変更への認知・理解が引き続き進む
Q.日本耳鼻咽喉科学会が「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」に名称変更したことについての印象をお聞かせください。

学会名変更の印象については、「口やのど、首の病気で耳鼻咽喉科を受診しやすくなる」と回答した人が109名(54.5%、2021年:51.0%、2023年:47.0%)と最多であり、「耳鼻咽喉科の診療がよりわかりやすくなった」が96名(48.0%、2021年:49.0%、2023年:46.0%)と続いた。一方「頭頸部外科の名称は、まだ理解しにくい」と感じている人は63名(31.5%、2021年:32.0%、2023年:36.5%)であり、前回より改善がみられた。新学会名への認知・理解が引き続き進んでおり、名称変更が生活者の適切な医療アクセスに対するサポートの役割を果たしつつあることが示唆された。
■ まとめ
頭頸部には、味覚や嗅覚、聴覚といった生活の質(QOL)維持に大切な感覚器、脳につながる血管や神経、リンパ節などが狭いエリアに集中しており、機能を維持しながらがんなどの病気を治療するには高い専門性が要求されます。第3回調査の結果からも、耳鼻咽喉科で治療できることが十分に知られていないがん・症状・病気が引き続き多く存在することが明らかとなりました。その一方で、「声が出しづらくなった」(86.0%)や「首が腫れた」(46.0%)、甲状腺がん(37.5%)、顔面神経麻痺(30.5%)など複数の項目で前回調査からの改善が確認されており、継続的な啓発活動の効果が一定程度示唆されました。自由記載においても「耳・鼻以外の治療ができることを知らなかった、周知すべき」との意見が21件寄せられており(2021年:17件、2023年:22件)、市民への周知が引き続き求められています。頭頸部の疾患に罹患した患者さんへ適切な治療を迅速に届けられるよう、耳鼻咽喉科・頭頸部外科が幅広い疾患を専門としていることを継続的に啓発していく必要性が改めて確認されました。
■ 調査概要
第3回(2026年度)調査
・調査日:2026年7月7日(トラッキング調査)
・調査パネル:「Medical Note」の会員
・回収方法:インターネット調査
・回答条件:18歳以上、非医療従事者
・取得した有効回答数:200
第2回(2023年度)調査
・調査日:2023年6月7日(トラッキング調査)
・調査パネル:「Medical Note」の会員
・回収方法:インターネット調査
・回答条件:18歳以上、非医療従事者
・取得した有効回答数:200
第1回(2021年度)調査
・調査日:2021年6月23日
・調査パネル:「Medical Note」の会員
・回収方法:インターネット調査
・回答条件:18歳以上、非医療従事者
・取得した有効回答数:200
■ 調査の詳細について
▼下記リンクから詳細なデータを閲覧できます。
頭頸部外科情報サイト(運営:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)
URL:https://www.jibika.or.jp/modules/committees/index.php?content_id=125
▼頭頸部外科月間特設サイト
URL:https://www.jibika.or.jp/owned/toukeibu/head_and_neck_surgery_month.html
■ 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会について
耳鼻咽喉科は耳、鼻、口腔・咽頭、喉頭、気管、食道、頭頸部と広範囲にわたる領域において新生児から老人まで多彩な病気の診療・研究を行います。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は耳鼻咽喉科専門医の育成と、学問・研究の推進および新しい診断・治療法の確立に努めており、国民の健康と医療の将来に貢献します。
学会HP:https://www.jibika.or.jp/
■ 株式会社メディカルノートについて
株式会社メディカルノートは、「医師と患者をつなぐ」をビジョンに掲げ、すべての人が“医療”に迷わない社会を目指す企業です。
医療情報メディア「Medical Note」を運営しており、臨床の第一線で活躍する約4,500名の医師・専門家の協力のもと、最新のエビデンスに基づいた信頼性の高い医療情報を一般生活者・患者向けに提供しています。特に、難病や希少疾患など、課題の大きな疾患領域に強みを有しています。
リアルとデジタルを融合することで医療をより身近なものとし、誰もが最適な医療を選択できる社会の実現を目指します。(https://medicalnote.jp/)
【会社概要】
会社名:株式会社メディカルノート
設立:2014年10月
所在地:〒105-0021 東京都港区東新橋二丁目3番3号 ルオーゴ汐留 5階
代表取締役:小林 裕貴
事業内容:医療機関向け事業、製薬・事業会社向け事業、オンライン医療事業
コーポレートサイト: https://medicalnote.co.jp/
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