御所では、新聞やテレビのニュースを通して社会の出来事に触れられ、侍従から説明をお聴きになっています。地震や津波、各地の豪雨による被害や熊の出没による社会不安、気候変動による農業や漁業等への影響、昨年の夏季デフリンピック競技大会や今年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックにおける日本選手団の活躍などが話題になっていました。
ご交流のあった人々からは、今も変わらず書状や書籍等が届けられています。
ご支援になった団体等からは記念誌や機関誌が送られ、60年にわたるJICA海外協力隊の歩み、歌詞著作権をお譲りになった日本肢体不自由児協会による「ねむの木賞」の贈呈、日本看護協会や連盟発足50周年を迎える「日本いのちの電話」の活動、昭和62年の米国ご訪問時にお立ち寄りになった小説『若草物語』の舞台「オーチャードハウス」のその後の様子等が伝えられました。
音楽のお仲間からは、御所での演奏披露があったほか、コンサートのご案内や音楽CD等が寄せられました。中には草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルで一緒に演奏された海外音楽家からの心温まる書状もあり、音楽を通してのお関わりを懐かしく思われたご様子でした。
昨年暮れには、石川県立津幡高校の生徒たちが、学校創立100周年記念事業として、10年の歳月を費やして「玉小石」の養蚕を復活させ、地域の協力を得て作り上げた伝統の絹織物「牛首紬(うしくびつむぎ)」が届けられました。
上皇后さまが古代絹織物の復元に最適とされる蚕「小石丸」を長く育てられ、伝統文化の継承にお力を貸されたことに着想を得たというこの事業に、上皇后さまは、紅葉山での御養蚕が思いがけない形で伝わったことに驚かれるとともに、生徒たちの長年にわたる熱心な取り組みに感心なさっていました。
今年は、上皇后さまが英訳され、朗読された詩人・永瀬清子さんの『降りつむ』を紹介するテレビ番組の放送や上皇后さまがお書きになった絵本「はじめてのやまのぼり」のウクライナ語への翻訳についてのお知らせもありました。
日課として、筋力低下防止のため、陛下とご一緒に御殿内をお歩きになり、軽いご運動をなさるほか、赤坂御用地や御所のお庭をご散策になります。その折に土筆を摘まれ、満開の桜や梅をご覧になり、薔薇花壇にお立ち寄りになりました。マンサク、セツブンソウ、フクジュソウ、ミツバツツジ、マイヒレン、ヒツジグサ、ユウスゲ、ヒマワリ、ハギ、オミナエシなど季節の草花もお楽しみになっています。
また、陛下とご一緒に、日中には日本や世界各地の自然や歴史、人々の生活の様子を伝えるテレビ番組を、夜には音楽番組や各種スポーツの国際試合などをご覧になります。
1月の阪神淡路大震災及び3月の東日本大震災の発生日並びに沖縄県慰霊の日、広島・長崎原爆の日、終戦記念日には陛下と黙祷され、終日、静かにお過ごしになりました。宮中祭祀が行われている間は陛下とお慎みになっています。
新年や上皇上皇后両陛下の誕生日、外国をご訪問になる前後などに、天皇皇后両陛下をはじめ秋篠宮皇嗣同妃両殿下、愛子内親王殿下、佳子内親王殿下、悠仁親王殿下ほか皇族方が御所にお見えになっていますが、お会いになることを楽しみになさっています。

