鹿児島県指宿市の畜産加工会社「水迫畜産」の元取締役が、ふるさと納税の返礼品として等級を偽装した牛肉を納品し、約6350万円をだまし取ったとして逮捕・送検された事件で、不正に納品された商品の総量が約2.7トンに上ることが警察への取材で明らかになった。
2023年秋に集中、最悪ケースでは半分以上が低等級
警察の調べによると、等級が低い牛肉が混ぜられた商品は2023年9月から11月にかけて納品されたとみられている。この約3か月間で積み上がった不正納品の総重量が、約2.7トンという数字だ。

牛肉の格付けは、牛からとれる肉の割合をA・B・Cの3段階、肉質を5〜1の5段階で分類する仕組みになっており、最高がA5、最低がC1となる。
なかでも特に悪質とされるケースでは、A5等級として販売した商品に、最低ランクのC1を含む異なる等級の牛肉を半分以上混ぜた状態で納品していたという。混ぜられた牛肉の中には、A5等級の半額以下の価格帯のものも含まれていた。返礼品を選んだ寄付者が手にしたのは、実態とはかけ離れた商品だったことになる。
容疑者は「黙秘」、差額分の利益が目的か
逮捕されたのは、水迫畜産の元取締役・水迫政輝容疑者(55)。逮捕当時、本人は「黙秘します」と話しており、詳しい経緯は明らかになっていない。
警察は、水迫容疑者が等級の低い牛肉を使用することで差額分の利益を得ようとした可能性があるとみており、余罪などについても引き続き調べを進めている。

ふるさと納税制度への信頼を揺るがす事態
ふるさと納税は、地域の特産品を返礼品として寄付者に届けることで、地域経済の活性化にもつながる制度だ。指宿市などの地域にとって、畜産物はその看板となる返礼品でもある。
今回の事件は、制度そのものへの信頼を損ないかねない深刻な不正であり、寄付者のみならず、誠実に取り組む地域の生産者や事業者にとっても大きな打撃となる。警察による全容解明が待たれる。
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