鹿児島県大崎町出身のお笑い芸人・天竺川原さんが、ふるさとをPRするYouTube番組「大崎ゆうちゅ~部」シーズン7の撮影に臨んだ。今回は後輩芸人・真空ジェシカの川北茂澄さんを連れ立っての収録となり、焼き肉店のシャッターへの絵描きから小学校での交流まで、大崎町の魅力がぎゅっと詰まった2日間となった。
「シャッターの中だけ、と言われたけど…はみ出ちゃった」
撮影の最初の舞台は、大崎町内にある焼き肉店。店のシャッターに絵を描くのがミッションだ。天竺川原さんはお笑い芸人であると同時にアーティストとしても活動しており、道の駅や郵便局の壁など町内にはいくつも川原さんの作品がある。
「大崎の壁外シャッターのすべてを死ぬまでに全部絵を描いていく。アートの街にする」と語る川原さんは、がむしゃらに筆を走らせ、気づけばシャッターの枠をはみ出していた。「『シャッターの中だけ』と言われたけど、がむしゃらにやっていたらはみ出ちゃった」と本人は笑って振り返る。
それでも完成した作品に、焼き肉店の前田隆博店長は「おお!めっちゃいい!」と笑顔を見せた。川原さんらしい自由なボケっぷりと確かなアートの腕が同居する場面だった。
総再生回数700万回超 自治体動画として異例の人気
「大崎ゆうちゅ~部」は、大崎町がYouTubeで配信する番組で、ふるさと納税の寄付金を財源として7年前にスタートした。川原さんが町内の観光地や人を訪ね、見ている人を笑わせながら大崎の魅力を届けるという内容だ。
これまでに公開した動画は約120本。その総再生回数は700万回を超えており、自治体の動画としては異例の数字を誇る。川原さん、川北さんと対談した中野伸一町長は「(1本あたり)人口の3倍くらいの人が見ている」と目を細めた。
YouTubeのコメント欄には「このシリーズがずっと見たいので大崎町にふるさと納税しています」という声も寄せられており、動画が実際の経済効果にも直結している。
M-1決勝常連の後輩・川北さんと母校へサプライズ訪問
翌日、川原さんと川北さんが向かったのは川原さんの母校・大崎小学校だ。この日はちょうど秋祭りが行われており、大崎町の非公認マスコットキャラクター・松原王子も加わって、2人は児童たちと思いっきり遊んだ。
「めっちゃおもしろかった」と目を輝かせる児童たち。保護者からも「ビックリした。オーラが違う」という声が上がった。川原さん本人はといえば、感想を求められて一言。「また全部使えない」。最後まで芸風を崩さなかった。

2026年12月、ふるさと納税で整備したアトリエがお披露目予定 緑色と紫色
撮影の合間に2人が立ち寄ったのは、ナスをイメージした緑色と紫色の外観が目を引く川原さんのアトリエだ。ふるさと納税を活用して整備が進められており、カフェや川原さんのアートを楽しめる施設として2026年12月にお披露目される予定となっている。大崎町に人が集まる拠点づくりを目指した取り組みだ。

大崎町役場・商工観光課の嶽野清人さんは川原さんへの思いをこう語る。「忙しい中でわざわざ大崎町に帰ってきてくれて、本当に密に打ち合わせをしてくれて、『大崎町に面白い魅力があるのにもったいない』『一緒にやっていこう』と聞いた時には感動した」。
川原さんが大崎をどう思っているかを直接聞けば、「大崎は何もないところがいいところ」という答えが返ってくる。シャッターをはみ出しても、インタビューで「もっふんにょ」と答えても、その根底には故郷への深い愛情がある。

「大崎ゆうちゅ~部」は毎週土曜日に更新中だ。
【動画で見る▶天竺川原さんが笑いで伝える大崎の魅力 動画撮影の現場に密着【鹿児島】】

