SNSで警察学校のリアルを発信!「なり手不足」解消に挑む
「非常に厳しい状況が続いている」
愛媛県警の採用担当者は語る。
警察官のなり手不足が全国的に深刻化するなか、愛媛県警も昨年度の受験者数は過去最少となる277人にまで落ち込んだ。
事態を打開しようと、採用担当者が独学で動画制作を習得してSNSで発信し、若手警察官が自ら警察の”リアル”を伝えるなど、異例の取り組みが始まっている。
全国的に人口減少が進むなか、人材確保に頭を悩ませる県警は日々、採用活動に奮闘している。
受験者は10年で半減、競争倍率も2.9倍に
まちで、警察官のイメージについて、聞いてみた。
市民:
「事故とかが起こった時に電話をかけたら、すぐ駆けつけてくださったりとか、助かっています」
「信頼できる」
「友達が警察官なんですけど、日頃の災害の時とかもすぐに動かないといけないらしいので、そういう時は本当に頭が上がらない」
事件・事故への対応をはじめ、私たちが日々、安心して暮らせるよう地域の安全を守る警察官への信頼は厚い。
でも、みなさん、そんな警察官になってみたいと思う?
市民:
「家族もおるし、ネコもおるし。やっぱり周りの人たちのことも考えちゃいますね」
「自分がそうだったら、あまりやりたくない」
「ちょっと無理ですね、怖い勇気のあることだと思います」
『警察官が足りない…』
警察官のなり手不足に、全国の警察で採用担当者が頭を悩ませている。

警察官に対する『厳しい』イメージが影響
県警警務課・神野圭一採用調査官は現状について「受験者の少数化は、少子化も影響していると考えているが、警察に対する『厳しい』といったイメージが受験のハードルになっているのではないか」と分析している。
また過去10年の県警の受験者数の推移を見てみると、「令和元年以降は500人を下回っていて、昨年度は過去最少となる277人の受験者と非常に厳しい状況が続いている」と話す。
競争倍率も減少傾向で、昨年度は、令和元年の5.1倍に比べ半分近くの2.9倍にまで落ち込んでいる。

人材確保への取り組みは待ったなし
全国的に警察官が足りない傾向は顕著で、警察官1人あたりが対応しないといけない刑法犯の件数は、ワークライフバランスが求められる現代に逆行するように年々増加している。
警察官1人あたりの刑法犯負担件数の推移グラフ(過去5年)を見ると、その流れは顕著だ。
神野採用調査官は「治安に隙間を生じさせないような対策は日々行っているが、例えば、110番した際に、現場に臨場するまでの時間が長くなったりする可能性は考えられる」とも話す。
さらに、まもなく始まる『団塊ジュニア世代の退職』を前に、人材確保への取り組みは待ったなしだ。
そんななか、採用担当者が力を入れているのが“SNSを使ったアピール”だ。
神野採用調査官は「若者に訴求力のあるSNSでは、公式チャンネルのXであったり、インスタグラムであったりとか、いろんな媒体があるので、若者に訴求力のある媒体で広報をしていきたいな」と語り、独学で動画作成を習得し、日々発信しているそうだ。

SNSで「警察のリアル」を届ける
この日、やって来たのは新人警察官が基礎知識を学ぶ警察学校。
まもなく卒業を控えた初任科生たちに、学校生活についてインタビューを行う。
「平日は給食があると思うけど、みんなが一番好きなメニューはなんですか?」という先輩の問いかけに、初任科生は「自分はからあげです」「私もからあげです」と口をそろえる。
また、「食堂の前を通るときから匂いを嗅いで、みんなテンション上がって楽しみにしていました」と屈託なく笑う姿は、世間が抱く”厳格な警察学校”のイメージとはずいぶん異なる。
撮影を担当するのは、今年7月、若手警察官を中心に結成されたチームだ。
Q.なぜ警察官を目指した?
「単純にかっこいいからという理由だった。警察官になるために剣道を始めた」
「地元を守る県民に寄り添うかっこいい警察官になりたいなと思って、気づいたら応募して警察官になりました」
ひとりひとりの率直な動機が語られた。

初任科生の本音を引き出す
「なぜ警察官になったのか」「不安はなかったか」など、悩みや思いを年齢の近い先輩たちが友人感覚で聞き出す。
在校生からは「同期とうまくやっていけるかなとそのときは思った」「一人部屋ではないので、誰かと一緒に」というと、先輩警察官から「いびきとかすごかったらね」と笑いが出る一幕も。
卒業生:
「体力面でみんなよりも劣っていた部分もあり、しんどいときもあったのですが、頑張って乗り越えることができました」
卒業生:
「最後の警備実施で盾を持ってみんなで走るが、同期の子や教官と力を合わせて、協力しながら助け合いながらした警備実施が一番の思い出」

「厳しい」イメージの払拭が鍵
「厳しい」「大変そう」と思われがちな警察学校のイメージを払しょくし、警察官のなり手確保を目指す。
「これから愛媛県警の警察業務の魅力や、やりがいをどんどん情報発信するとともに、採用イベント等を通じて実施していきますので、ぜひ警察の業務について興味を持っていただきたいな」と、神野採用調査官は語った。
警察官の魅力向上に向け取り組みは続く。


