秋の登山シーズンを迎え、紅葉の名所には多くの登山客が訪れている。一方で、急な天候の変化などによる遭難も相次いでいる。この夏、民間の救助機関に救助された男性は、救助費用の請求額が13万円だったと明かし、「ほっとした」と話している。救助機関は秋の登山について、「秋を冬の始まりと考えて装備することが重要」と呼びかけている。
紅葉シーズン本格化 「寒すぎる」の声も
年を追うごとに山岳遭難が増えている。
秋の登山シーズンを迎え注意すべきこととは―。

宮城、秋田、岩手の東北3県にまたがる名峰・栗駒山。

9月30日、山肌はすでに赤く色づき、“神の絨毯”の別名がつくほどの息をのむ美しい光景が広がっていた。

10月2日は、雲も多く風も強い、あいにくのコンディションだったが、それでもかなり多くの登山客が訪れていた。
一方で、強風が吹きすさぶ山の天候の中、「寒いです。急に雨が降ってきたので…」「1枚インナーを借りました。寒すぎて」などと、山の厳しさを改めて痛感する人もいた。

紅葉の色づきとともに秋の登山シーズンが本格化する中、懸念されるのは急な天候の変化などによる遭難だ。

長野県内で活動する民間の救助機関が公開した、この夏から秋にかけての遭難救助では―。

腰の痛みや吐き気などを訴え動けなくなった登山者をストレッチャーに乗せ、雨が降る夜間にわたり搬送した。

別の日には約100メートル滑落した登山者が…。

霧が立ち込める悪天候の中、富山県警のヘリの応援も受け、無事収容した。

こうした活動をする長野県山岳遭難防止常駐隊は、「民間人で構成される救助機関であり、出動には救助費用が発生します」としている。
骨折し動けず…救助費用の請求は13万円
8月、実際に救助を受けた50代男性・Aさんに話を聞いた。
約15年の登山歴があり、装備も十分だったというが…。

Aさん:
岩場を歩いていたが、岩に左足を乗せたところで滑って動けなくなった。

実はこの時足を骨折していたという。一歩も動けない状況に、命には代えられないと救助ヘリを要請し、無事、下山することができた。

その後、Aさんのもとに届いた請求額は「救助費としては13万円」だったという。
Aさん:
100万円とか百数十万円なのかとドキドキしていたが、ほっとしたのが正直なところ。
(Q. 登山者の備えについて)山岳保険など、ちゃんと入った上で行くようにしてもらえたら。

近年、山の遭難が増加している傾向は、警察庁の資料からも鮮明になっている。
2025年は全国で3122件の山岳遭難が発生している。
「秋は冬の始まり」低体温症に注意
救助機関の担当者は、この時期、低体温症が引き起こす遭難が増えることに注意が必要だと話す。

長野県山岳遭難防止常駐隊・相川副隊長:
登っている最中は温かいので汗をかく、環境気温が低下し風が吹くと一気に体温を奪われる。秋という季節を「夏の延長」ではなく「冬の始まり」と思うこと。
(「イット!」10月2日放送より)

