激甚化する異常気象に対応を迫られる自治体。休校の判断は、学校単位ではなく教育委に。
台風25号に伴う記録的な大雨により、土砂災害や浸水被害が各地で相次ぎ、千葉県と神奈川県では少なくとも14人が死亡、1人の行方が今もわかっていないという甚大な被害が出てしまった(9月30日時点)。
ルールを越え、区内全域の小中学校の休校を決定
東京都でも土砂崩れが発生し、荒川区では区内初となるレベル4土砂災害危険警報が発表された。
対象地域は、近くに崖がある土砂災害警戒区域で211世帯328人が対象となった。
避難指示の発令を受け、住民2人が避難場所に避難した。
今回の避難指示は、気象庁が荒川区内のエリアに初めてレベル4土砂災害危険警報を出したことを踏まえて出されたものだが、区で初めての発令だったため、滝口学荒川区長は「大雨の中の避難の仕方や高齢者を安全に避難させる方法など、今後の課題も見つかった」と話す。
地球温暖化による影響で自然災害が激甚化するなか、住民の命や安全を確保するために自治体も既存のルールを越えた対応が迫られている。
荒川区では、豪雨となった9月6日の前日に区内全域の小中学校を休校させることを決め、保護者に通知を出した。
ルール上は、本来、各学校の学校長がそれぞれ休校するかどうかを判断することになっているが、9月6日の前日は、あらかじめ定めた管理運営方針に基づき、教育委員会が休校を判断し、各学校に通知する形をとった。
6月の豪雨の教訓から見直し
これは、過去の反省からとられた行政運営上の改革だといえる。
きっかけは、6月3日に発生した豪雨での教訓だ。
豪雨発生の前日の6月2日、予報では大雨になるかもしれないとのことだったが大雨注意報止まりの状況だったという。
そのため、荒川区の各学校や教育委員会では、休校判断をしなかったが、3日朝には午前5時ごろから急激に強い雨となり、警報も発令され、児童・生徒の3割は保護者が自主的に自宅待機の判断をしたものの、残りの7割は警報も発令された大雨のなか登校した。
この経験から、荒川区教育委員会では、自然災害に対する休校措置については各学校単位での判断ではなく、校長会と協議の上、教育委員会が統一的に事前に判断する管理運営方針を設けることと、運営を見直した。
そして迎えた9月6日の豪雨の際は、前日のうちに教育委員会が休校の判断をしたことで、各学校では落ち着いて保護者に連絡が取れ、教職員の出勤体制の確認や給食の停止など、混乱もなく対応することができたという。
滝口区長は、「児童・生徒の安全とともに、保護者に前日から休校を伝えることで仕事面でも事前に調整することもできると思う。教育委員会には、休校するかどうか判断を迷う場合は、空振りしてもいいという気持ちであたってほしいと思う」と話している。
