鹿児島県警察学校で9月29日、卒業式が行われ、40人の新人警察官が県内各署への配属辞令を受けた。注目されるのは彼らの卒業までの歩みだ。術科大会への遠征中に熊本地震が発生し、そのまま被災地での避難誘導や交通整理に従事した。「本当に困っている人たちが何を求めているか、考えて行動できるようになると思った」――現場の経験は、制服を着て間もない彼らに、警察官としての原点を刻みつけた。
大卒40人、6カ月の訓練を経て巣立つ
姶良市にある鹿児島県警察学校で卒業式に臨んだのは、初任科短期課程の卒業生40人。いずれも大卒の資格を持つ22歳から37歳で、4月から6カ月にわたって法学や逮捕術などを学んできた。式では代表者に卒業証書が授与され、1人1人に配属先の辞令が交付された。
鹿児島西警察署に配置された宮田光太朗巡査は、「厳しい訓練を通して体力・気力の錬成に努め、同期と切磋琢磨しながら絆を深めた」と6カ月を振り返った。
遠征の帰り道、突然の大地震
卒業生たちを語るうえで欠かせないのが、熊本地震との遭遇だ。熊本市で開催された柔道や剣道などを競う術科大会からの帰路、熊本地震が発生。卒業生たちはそのまま宇城市や八代市に向かい、住民の避難誘導や交通整理にあたった。
鹿児島南警察署に配置された窪田航巡査(27)も、「実際の現場では苦しんでいる人がたくさんいて、その人たちのためにも自分たちが頑張らないといけない気持ちがあふれてきた」と語った。教室での学びとは異なる、生の現場が彼らに与えた重みは大きい。

「常に最善の判断と行動を」学校長が激励
田中聡学校長は式で卒業生たちを激励し、被災地での経験を現場で生かしてほしいと呼びかけた。「いつどのような現場に遭遇しても常に最善の判断と行動が求められる」という言葉は、地震対応という実体験を経た卒業生たちにとって、一層の重みを持って響いたはずだ。

40人は29日付で県内8つの警察署や機動隊に配属される。学校での訓練と被災地での経験、その両方を糧に、地域の安全を守る職務へと歩み出す。
【動画で見る▶県警察学校で卒業式 熊本地震被災地でも活動【鹿児島】】

