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揺らぐ「越前がに」ブランド ふるさと納税返礼品の違法表示問題 GI法の理解不足か…地元業者から国や町へ怒りの声

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福井県が誇る「越前がに」。県内一の水揚げがある越前町で発覚したふるさと納税の返礼品の違法表示問題。地元からは「越前がに」ブランドの信頼を損ないかねないと怒りの声が上がっています。問題の背景と揺らぐブランドへの影響を取材しました。

カニの町、越前町。ふるさと納税の返礼品を巡る問題に揺れる中、地元の事業者から聞こえてきたのは怒りの声でした。 
 
海の幸食処えちぜん・宮地敏也店主:
「勘違いだけは止めたいと思って、しゃべります。 みんながカニに携わって生活してるんですよ。 あの文面を見ると、みんながやっている? やってませんよ!」
  
県内で最も多い越前がにの水揚げ量を誇るこの町で、信頼を揺るがしかねない違法行為が発覚しました。
 
越前町・高田浩樹町長:
「ふるさと納税返礼品において、GI法に違反する不適正な表示がありました。ご心配とご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」 
 
今回、ふるさと納税の返礼品に関して越前町で発覚した不正な表示は大きく分けて2つ。1つは、水ガニの過剰使用です。
 
現在の制度で「越前がに」と表示するには、原材料の半分以上に越前がにを使用する必要があります。しかし町内の水産加工会社1社が、約5年半にわたって「越前がに」と表示しながら、半分を超えて水ガニを使用していました。
  
町内で水産業に携わる関係者は「やっぱり越前がには越前がに、水ガニは水ガニ。その区別をしっかりすることやね」と話します。
   
また、海の幸食処えちぜんの宮地店主は、そもそも割合の問題ではないと話します。「49パーセントとか50パーセントとか紛らわしい。私らは100パーセントが、越前がにだと思ってますからね」

2つめの不正表示は、誤認を招く「越前」の表記です。
  
水ガニの使用を指摘された1社を含む11の事業者が提供している一部の返礼品で、ベニズワイガニなどの加工品に「越前」や「越前産」などと越前がにを想起させる文言が使用されていました。(※「越前町産」なら問題なし)
 
今回、この両方のケースが抵触したのが「GI法」です。国が地域の名産品の名称を知的財産として保護する法律で、越前がにもこれに基づく保護制度に登録されていることから、名称の不正な使用が禁じられています。
  
さっそく、町内で水揚げしたベニズワイガニに「地理的表示GIではありません」と注意書きをする店も。今回の問題発覚後、GI法に触れることを恐れてあえて取り付けたそうです。

では不正な商品名をつけたのは誰なのか。カメラを回さないことを条件に、不正表示と認定された関係者が内実を明かします。
 
「我々も理解不足という落ち度はある。 ただ、商品名を決めるのは町とその委託業者。 委託業者に今回の問題について問い合わせたら、急に電話を切られた。 説明会を開くべきだ」
 
福井テレビが委託業者の一社に取材したところ「現在、国と越前町が調査を行っているため弊社からお答え申し上げることはできない」との回答でした。
 
また、越前町は遅くとも去年10月には水ガニの使用を認識していたものの「制度への理解に乏しく水ガニも越前がにに該当すると思い込んでいた」と弁解しています。
 
これに関しても水産業者からは「もっと早く対応できたはず」「謝るばかりで話が通じない」などと町の対応を批判する声が多く聞かれました。

宮地さんの店「海の幸食処えちぜん」でも、ふるさと納税の返礼品を提供していますが、不正な表示はありませんでした。
  
ただ、自らも含めこの制度の理解不足が問題の根底にあると語ります。
 
「はっきり言って、このGI法は難しいんですよ。国も役場に対して“こうじゃないとダメだ。 こういうパターンの時はこうじゃないとダメだ”っていうのをしっかり指摘して、勉強会をしなかった。国が、役場にもっと指導し、役場が私たちに伝えなかったことがダメなんじゃないですかね」
 
町は、農林水産大臣からの措置命令を受け、原因究明や再発防止策の実施に取り組むことになります。また、当面の間カニに関連する全ての商品を返礼品から除外することを決めています。
 
ふるさと納税への影響は約6億円に上るとみられています。一方、失った信頼は寄付額以上に取り戻すことは困難です。
  
宮地さんは「越前町全体の話だって私も思うんですよね。これからの越前がにをどうしていくんだ、という話」と訴えます。
 
これまでもこれからもカニの町であり続けるため、徹底した原因究明と制度の理解浸透が求められています。

福井テレビ
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