那覇市のホテルアンテルーム那覇で、アート展『ShiromarLand(シロマ―ランド)』が開催されている。

デザイナーの父・城間英樹さん、高校生アーティストのゴンタさん、そして今回アーティストデビューを飾る長女のキノネさんという、家族全員が表現者として活躍する城間家。三者三様の個性がひとつの空間で交差する、初の「家族展」だ。会場には遊び心と家族の温かな絆が詰まった作品群が並び、訪れた人たちの笑顔が溢れている。
「ミラクルくん」の成長と夢の結実

9歳から活動を始め、「ミラクルくん」の愛称で親しまれてきたゴンタさんは高校3年生になった今も精力的に創作活動を続けていて、ずっと進化の過程にある。ゴンタさんが、着ているTシャツを誇らしげに見せてくれた。
「昔から仮面ライダーが大好きで、東映さんとついにコラボできて。イラストレーターを8年間続けて叶った夢だったので嬉しかったです」
今回の展示でゴンタさんは、動物の家族を描いた作品を出品した。

「とにかく笑顔。家族だから笑顔になる」
基本は単色の色使いだが、影を巧みに差し込む手法もまじえるようになり、アーティストとしての成長がにじむ。父の英樹さんも「良い絵だな。父ちゃんには描けない」と、成長を頼もしそうに見守っている。
20年の歩みに交差する子どもたちの存在
父の英樹さんは今年50歳という節目を迎え、これまで生み出してきたキャラクターを総集結させた。

20年前から現在までの歩みを振り返り「20年前から10年前、そして10年前から今日までの作品をこうやって今回並べてみると、よく描いたなと思いますね、自分で」と感慨深げだ。
自身の作品には家族への愛情も込められている。
「ペットは飼い主に似るという着想から生まれたスタイル・シリーズなんですけど、シリーズのメインキャラが『キーノちゃん』と言うんですよ。名前からなんとなく分かるんですけど、キノネがベースになっていますね」
モデルとなった長女のキノネさんは、9月から念願だった東京のゲーム制作会社での勤務が決まり、遠隔での参加となった。
「東京での就職が決まりまして。今回はちょっと遠方からの参加ということになりました。念願のゲーム制作会社に入社できました」

キノネさんは本展で「キノザウルス」という恐竜キャラクターを出品した。
「キノザウルスという名前の恐竜のキャラクターたちで、各々がちょっと個性的な歯を持っているので、おそらく見に来た方たちがそれぞれ、それぞれの子たちを好きになってくれるだろうなと。今後どういう展開をされていくのか楽しみに待っていただけていたら嬉しいですね」
さらに展示の目玉である英樹さんの代表作「BUDOG(ブドッグ)」には、ゴンタさんが干支を描き加えたコラボ作も登場した。

英樹さんは「僕が作家として一度デビューしたきっかけになったのが、このキャラクターです。究極にシンプルに、キャンバスになり得るキャラクターというコンセプトで20年前に生まれました」と振り返った。
直感で触れられる“城間家アート”の魅力

無事に初日を迎えた展覧会場には、多くの人たちが駆けつけて作品を鑑賞した。開催中に行われた親子トークショーでは、ゴンタさんが展覧会の楽しみ方をこう説明した。
「『シロマーランド』は、“考えないで見た方がいい”ということだけはオススメします。子ども心を忘れないでほしいです」
ゴンタさんのこの言葉に、英樹さんも深くうなずいた。
「僕たちがやったものって『面白い』とか『可愛い』『かっこいい』、その場でポンと感情が出るアートだと思うんですよね。それをゴンちゃんの言葉でいうと『何も考えずに来て、それを感じてほしい』と。さっき聞いた時に良いこと言うなって思ったので、父ちゃんも以下同文です(笑)」

互いの才能をリスペクトし合いながら、家族のアートの空間を創り上げた城間家。ひとつの家族の絆から生まれた豊かな表現は、見る者の心をほどき、純粋な笑顔を湧き上がらせてくれるはずだ。
【展覧会情報】
城間家の家族展『ShiromarLand』は11月15日まで、那覇市の「ホテルアンテルーム那覇」で開催中。会期中には展示作品の入れ替えも予定されている。

