新しい生き方や働き方として関心が高まる「ワーキングホリデー」。海外で働くイメージもあるが、いま国内の自治体が地方での仕事や暮らしを通じて魅力を知ってもらう取り組みに力を入れている。
その一つが「高知市ふるさとワーキングホリデー」。県外出身の若者が、リアルな仕事や暮らしを体験している。
今回は、高知さんさんテレビで記者として2週間働いた若者たちに密着。彼女たちが取材した「木曜市」の魅力と課題は?
記者として地方に飛び込んだ2人
8月27日、高知市での生活をスタートさせた東京都在住の社会人・佐藤真奈さん(26)。
同じく東京都在住で大学2年生の尾原一華さん(20)。
2人は「高知市ふるさとワーキングホリデー」を活用し、高知さんさんテレビで記者として働き始めた。
「昔から地方創生に関心があった」と語る佐藤さんと、「自分の出身地と高知市が似ていて、将来的に中堅都市で働きたいという思いがあった」と話す尾原さん。
県外出身の2人が高知にやってきた理由はそれぞれだが、地域に飛び込む熱意は共通している。
市移住・定住促進課の吉田友一さんは、事業について「将来的に移住や定住を考えた時に選択してくださるかな、と期待をしながら実施させてもらっています」と語る。
雨の木曜市で出会った伝統と味
9月3日の木曜日、2人は気になっていたという街路市「木曜市」の取材に向かった。あいにくの雨で出店数は少なかったものの、ブドウや梨といった秋の味覚が並んでいた。
2人が足を止めたのは、高知名物の「田舎寿司」を売る店だ。店主の筒井達雄さんに話を聞くと、夜中の12時から仕込みを行っているという。
「すごい。夜中の12時から仕込まれて」と驚きつつ、初めての田舎寿司の食リポに挑戦した。
尾原さんは「シャキ・コリみたいな食感が珍しくて、とってもおいしいです」と笑顔を見せる。
佐藤さんも「こんにゃくに弾力があっておいしいです」とリポート。
店の人との会話や買い物を楽しんだ。
100年を迎える木曜市の課題
長年出店している川村直美さんは「私はもうすぐ80(歳)。こっちは80(歳)超えました」と話す。
今後について尋ねると、「それがね、跡継ぎがおらんのでね…主人のおいっ子が作ってますけどね。もう5〜6年かなって本人は言うてます」と寂しさをのぞかせた。
2026年で100年を迎える木曜市は、こうした課題も抱えている。
佐藤さんは「昔は所狭しとお店が並んでいたようですが、今はご覧の通り空いたスペースが目立っています。本日は雨ということもありますが、高齢化などの問題で年々出店数が減っているようです」とリポートする。
高知市ではこうした状況に対し、2025年にクラウドファンディングを実施。
集まった寄付金で新規出店者のための貸し出し用テントを購入した他、SNSでの魅力発信にも力を入れている。
2週間で培ったものと高知への思い
9月7日、ふるさとワーキングホリデーは最終日を迎えた。
2週間の“高知生活”を振り返り、佐藤さんは「県外から来たっていうことを伝えると、『ようこそ!』みたいな感じで本当に歓迎してくださって、温かい町だなって思いました」と語る。
尾原さんも「交流が一番、高知の人のとっても素敵だったところなので、そこの魅力を皆さんに知ってもらえたらなと思います」と振り返った。
短い期間でありながら、高知の人の温かさに触れ、地域の魅力と課題の双方を肌で感じた彼女たちの経験は、これから自身の未来を切り拓く糧となるはずだ。

