「人や文化が海峡を越えて行き来するのが当たり前だった日韓」 高円宮妃久子さまが語られた“真の国際交流”

カテゴリ:国内

  • 高円宮妃久子さまが「第11回高円宮記念日韓交流基金顕彰式典」に出席
  • 日韓の民間レベルでの交流事業に尽力した団体や個人を表彰
  • 久子さまが語られた“真の国際交流”とは・・・

日韓交流イベントに出席

第11回高円宮記念日韓交流基金顕彰式典で披露された韓国舞踊

日韓関係がここまで冷え込んでいる状況の中で、高円宮妃久子さまは2019年12月18日、東京東京都新宿区にある韓国文化院で開かれた「第11回高円宮記念日韓交流基金顕彰式典」に出席されました。このような中だからこそ、日韓の草の根交流の大切さを訴えるお姿を見ることができました。

亡くなられた高円宮さまと久子さまは、2002年、戦後初めて皇族として初めて韓国を訪問されています。このご訪問を記念して「高円宮記念日韓交流基金」が創設されました。そして、顕彰式典では、日韓の民間レベルでの交流事業に尽力した団体や個人が表彰されています。今年の顕彰式典では4つの団体に高円宮賞が贈られました。

表彰式典では、4つの団体が高円宮賞を受賞

日韓の関係が微妙になる中、どのような式典になるか、主催者も心配したようですが、これまでと変わりなく式典は進められました。
久子さまのお言葉は、これまで以上に心強いものでした。

「真の国際交流は一人一人の人間が一歩ずつ進めていくもの」

「令和最初の高円宮記念日韓交流基金の顕彰式典にて皆様とお会いすること、大変うれしく思います。今年も日本では台風や豪雨により、多くの被害が発生いたしました。はじめに災害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興、復旧を心より願っております」

お言葉を述べられる高円宮妃久子さま

冒頭では、台風19号などによる自然災害で被害を受けた人たちへのお見舞いの言葉で始まりました。そして、これまでこの基金を支えてくれた人たちへの感謝の言葉に続き、次のように述べられました。

「宮さまは、国民一人一人がお互いに仲良くなれば、国と国も仲良くなる。共に新しい未来を切り開くことができる、とのお考えをお持ちでいらっしゃいました。日本と韓国は、古来より密接な関係にあり、人や文化が海峡を越えて行き来するのが当たり前でした。両国が手を取り合って歩んできた輝かしい歴史があります。どんな困難な状況にあってもこれからもお互いに助け合い、支え合って新しい未来を作り上げていくことが大事だと思います」

さらに、両国間の民間交流がいかに大切かを強調されています。

「真の国際交流とは、国や組織単位ではなく、その国や組織を形成する一人一人の人間が一歩ずつ進めていくものだと思います。国としての立場がたとえどのようなものであっても、国民同士がまず強い信頼の絆に結ばれることが最も重要と考えます」

現在の日韓関係を顧みたとき、とても重い言葉に感じられました。
国と国の関係だけではない両国の交流の大切さを訴えられています。

「日本と韓国とは隣国として昔から文化や価値観を共有する大切なパートナーであり、是非とも将来に向けて変わることのない信頼と友好の関係を固めてまいりたいと存じます。信頼の絆は、一朝一夕にして築き上げられるものではございません。しかし、一旦、築き上げられた信頼関係は、そう簡単に崩れるものでもありません。相互理解には、普段からの絶え間ない交流が必要です」

こうして両国の信頼と友好の関係が築き上げられると、絆はそう簡単に壊れるものではない、というお考えはこれまでも示されており、そうした意味では、こうしたお考えから日韓交流基金がスタートし、信頼と友好を築くために草の根交流というものがいかに大切か、一貫したお考えをお持ちかをうかがい知ることができます。

未来への想い

そして未来への思いを語られています。
「特に時代を担う青少年が新たに築き上げる友好関係こそが、両国の未来を構築するものです。今こそ、こうした民間交流が重要であり、それぞれの地道な関わりが幾重にも重なりそして広がり、美しい友情の輪となっていくものと信じて、高円宮記念日韓交流基金がそのような地道な活動を顕彰してまいりたいと存じます」

この後の言葉で、久子さまは、
「今年は推薦が減るのではないかと心配しておりましたが、昨年を上回る推薦や応募があったようで、20年30年ととても長い間交流しているものが多かったようです。やはり人と人の信頼関係によって築かれた友情の絆は、どんな逆風の中でも途絶えることはないのだと思います」
と述べられています。

式典には、羅鐘一元駐日大使や南官杓現駐日大使も出席しました。

羅鐘一元駐日大使

皇族の方は「外交」はしません。国と国との交渉を含めた交わりが「外交」です。
ですので皇族方がなさるのは、あくまで「国際親善」です。
国際親善はどのような状況にあってもできる国と国との信頼関係を作る交流です。
時には、お互い切磋琢磨できる相手であることも認めあえる関係を作る交流なのではないでしょうか。
こうしたことを踏まえ、久子さまも、民間交流の大切さをこの基金と式典によって伝える「国際親善」のご公務を続けていらっしゃるのです。

【執筆:フジテレビ 解説委員 橋本寿史】

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