みなさんは買い物での支払いをどうしているだろうか?現金派だという人も少なくないだろうが、キャシュレス決済が使える場所は増加中。

10月24日、青森山田高校の中にキャッシュレス限定の無人コンビニがオープンし、学生から高齢者にまでキャッシュレスの波が押し寄せている。

今回の「ココ調」は、現金や財布なしの生活はどのようなものかを調査した。

“キャッシュレス大学”の学生は所持金0円

最初に向かったのは、大阪府東大阪市にある近畿大学。約3万人の学生が通うこの大学で、2019年9月にオープンしたばかりだという食堂へ行ってみると…

横山ルリカ リポーター:
レジがキャッシュレス専用レーンと、現金の専用レーンに分かれているんですね!ちょうど今、キャッシュレスで支払いしている方がいらっしゃいます

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横山ルリカ リポーター:
これはクレジットカードですか?

女子学生A:
これは学校の学生証で、VISAが入っているのでキャッシュレスで支払いました

学生証にチャージ機能をつけるなど、近畿大学は超最先端のキャッシュレス大学。

11月に行われた学園祭では、出店した屋台約170店すべてにQRコードのキャッシュレス決済を導入する徹底したキャッシュレスぶり。一体なぜキャンパス内をキャッシュレス化したのか?

近畿大学総務部 上原隆明主任:
学生に社会の一番最先端のものに触れて欲しいという思いがあって。今年の4月からキャッシュレスの導入を始めまして、利用率がどんどんどんどん上がってきているという実感は持っています

では、実際にどのくらいの人がキャッシュレスで支払いをしているのか?キャッシュレスゾーンと現金ゾーンに分かれている食堂でウォッチングを開始。

横山ルリカ リポーター:
キャッシュレスのレーンはどんどん人が入っていきます。でも、現金で払われる方もいらっしゃいますね。

ランチタイムの1時間に調査した結果、129人中78人がキャッシュレスで支払っていた。

男子学生A:
現金はいらないです、この時代

横山ルリカ リポーター:
そうなの?あっ、お財布にお札入ってない!ゼロ!

構内をキャッシュレス化してから、現金を持たなくなったという人が急増中。そこで、学生たちのお財布の中身をチェックしてみると…

横山ルリカ リポーター:
えっ、やだちょっと!1円玉ばっかり…所持金153円!

男子学生B:
基本、お財布開かないんで…

男子学生C:
財布の中にはお守りの5円玉しかないです

横山ルリカ リポーター:
いつからこの状態?

男子学生C:
おとといから。お札がなくなっても、焦らなくなったかな

また、別の学生からはこんな声も…

女子学生B:
お財布は持たないです。半年くらい持っていないと思います。カードを何枚かポケットに入れるか、Apple PayかPayPayかLINE Payでやっています

男子学生F:
財布は持たないです。携帯で支払いが終わるので

横山ルリカ リポーター:
でも、全部が使えるわけじゃないじゃないですか?

男子学生F:
その時は買い物を諦めます

現金を使わないため、財布を持ち歩く必要がないという。さらに、こんな使い方をする人たちもいた。

男子学生G:
親からLINE Payで送金してもらっています

女子学生C:
お小遣いは親がPayPayに。電話番号で送れるので、そこから(お金を)送ってもらっています

携帯から携帯へ、好きな時間に好きな金額を簡単に送ることができるのも特徴で、手数料などもかからないためお得だ。

キャッシュレスでお小遣いを渡しているお母さんにも話を聞くことができた。

横山ルリカ リポーター:
キャッシュレスに抵抗はないですか?

女子学生Cの母親:
ないですね。多分、日本は遅れているんですよね。銀行とか行く手間が省けるじゃないですか。電子マネーの方が本当に便利だと私は思います

そんなキャッシュレスを使いこなしているのは、若者だけではない。

高齢者もキャッシュレス 普及率80%の地域限定カード

広島県庄原市東城町にあるスーパー「トーエイ」へ行ってみると、レジで青いカードを店員に渡して会計をするお客さんの姿が見られた。

ココ調取材班:
このカードは何ですか?

85歳女性:
ほ・ろ・か。今年ね新しくできたんですよ。このカードでほとんど何でも買えます

岡山との県境にある東城町の人口は約7500人。その約46%が65歳以上と高齢化が進む一方、キャッシュレス最先端の町なのだ。
皆さんが使っていたのは、住民の約80%に普及しているという電子マネー付きのICカード「ほ・ろ・か」。

商工会や加盟店で発行し、事前にお金をチャージしておけば、スーパーの他にもガソリンスタンドや温泉、道の駅など、町内55カ所のお店で使える東城町独自のカードだ。

実は今、こういった地域限定で使える「ローカル電子マネー」が全国各地で増加中。 高山市・飛騨市・白川村限定の「さるぼぼコイン」や下北沢限定の「シモキタコイン」、倶知安・ひらふエリア限定の「NISEKO Pay」などがある。

その特徴は、国のポイント還元(最大で500ポイント)の他に、東城町独自のポイントを還元し(買い物200円ごとに1ポイント+1万円チャージで100円)、最大で6.5%(650円分)の還元があること。

買い物客にレシートを見せてもらうと、1万121円を「ほ・ろ・かカード」で支払い、552ポイントが付与されていた。

54歳女性:
見てビックリしています。どんどん貯まっていく感じがうれしい気がする

69歳女性:
ポイントはかなり貯まっているよ。いいでしょう?ふふふ

一方、お店からはこんな声が。

美容室「吉兆Plus Heart」藤原繁子マネージャー:
7割くらいの方が「ほ・ろ・かカード」。もっとかもしれないですね。現金の出し入れがすごく少なくなったんで、レジ合わせとかもすごく楽になりました

フラワー・カフェ「Hanatojyo」山岡翼さん:
売上もやっぱり2割くらいかな、ちょっと上がっている気はします

しかし、なぜこんなに高い還元率が実現できるのか?

東城町商工会 後藤茂行会長:
商工会がカード事業主として運営をしているので、加盟店さんからいただいた手数料をプレミアムポイントなんかで戻したりできる。それによって、お金がこの町で循環するようにやっているので、還元していける

「ほ・ろ・かカード」は、地元商工会による運営のため、加盟店の手数料を1%と他のキャッシュレスより安く設定。その手数料をポイントで住民に還元することで、町の中でお金が回り、地域活性化にもつながっているのだ。

さらに、ポイントで還元するだけでなく…

東城町商工会 後藤茂行会長:
見守り機能ですね。例えば10日間とか2週間、どこにも買い物がないよねって、もし何かあったら分かるように一応できます

カード使用者が一定期間カードを使った形跡がないと、家族などに自動でメールが送られる「見守り機能」がついている。

69歳女性:
今まではね、キャッシュレスは若い人のもんだと思ってたからね。だから「え~私でも使えるんだ」と思った

83歳女性:
あんまり難しいことはない。お金持ってない時はいい

一方で、慣れないキャッシュレスにはこんな声も…

60代男性:
まあ便利はいいと思う。小銭はいらないし。ただ、ここでキャッシュレス支払いをやってもね、現金で払ったような感じにもなるし、なんかね手間取る感じはある

71歳女性:
現金がないと、お香典とかああいう時に困る。新聞代とかね、ああいうので困るから、ちょこちょこは現金が欲しい

85歳男性:
ちょっと心配なんだけどね。本当にカードにお金があるのかなと思ってね(笑)現金がないとね、なんか寂しいね

キャッシュレスと現金をうまく使い分けることも必要かもしれない。

また、「ほ・ろ・かカード」には観光客用もあり、道の駅や観光案内所、商工会で3000円で購入すれば、3150円分の利用が可能。最大5万円までチャージできて、ポイント還元は住民と同じ最大6.5%。

旅行の際は、その地域限定の電子マネーカードがあるかをチェックしてみるといいだろう。グルメやアクティビティーなどをお得に楽しめそうだ。

(「めざましテレビ」『ココ調』11月29日放送分より)

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