“鈴木”を全面押し出した入浴剤が登場

佐藤さんや鈴木さん…。

「学校のクラスや会社の同じ部署にひとりはいる」と思うほど、日本に多い名字ではないだろうか。実際、明治安田生命が2018年に行った名字に関する調査では、1位佐藤、2位鈴木、3位高橋という結果となっている。

そんな日本人には身近な名字に関した、ある商品が登場した。

その名も薬用入浴剤 鈴木。11月20日に紀陽除虫菊株式会社(和歌山県海南市)から全国発売されるが、既に同社のHPから先行発売されている。

入浴剤は黄色い粉末タイプで、家庭の風呂の湯(約180~200L)に約25gを入れて使用。疲労回復や肩こりの効能があるという。

たしかに良さそうな入浴剤だが、でもなぜ鈴木なのか? 鈴木さんが開発したから? 販売元の紀陽除虫菊株式会社の担当者に話を聞いた。

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商品開発のきっかけはふるさと納税

――なぜ作ろうと思った?

きっかけは本社所在地である海南市の「ふるさと納税」の返礼品としての商品企画でした。紀陽除虫菊株式会社は1910年創業で創業109年、地場産業の蚊取り線香や入浴剤などを作る老舗の日用品メーカーです。

「ふるさと納税」返礼品としては既に「薬用バーデンタブ」といった重炭酸の入浴剤などをご利用いただいておりましたが、何か海南市ならではのものができないかということで企画しました。

実は鈴木姓のルーツが海南にあり、鈴木姓は海南から日本全国にこんなにたくさん広がっている、というとことを地元愛あふれる社長・小久保好章がぜひ多くの方に知っていただきたいと思い、企画しました。商品は紀陽除虫菊が誇る、昔ながらの薬用入浴剤です。

「ふるさと納税」返礼品としては2020年より採用される予定です。さらに「市販したら面白いのでは? もっと鈴木姓のいい伝えが広がるのでは?」と考えた社長の発案で市販することになりました。


――鈴木という名字と会社の関係は。

特に鈴木という名字とは関係がありません。和歌山県海南市にあるメーカーというご縁と社長の地元愛です。

全国に広がっている鈴木姓のルーツは海南市であること、熊野信仰までさかのぼる由来があること、今も「鈴木屋敷」が残っていて、その荒れ果てた建物を再生・復元する動きがクラウドファンディングによって進められていることに誇りと夢を抱き、もっと世の中に知ってほしい、広めたいと考えています。

営業の鈴木さんの頑張りで東急ハンズ銀座店で販売

――ちなみに、社内に鈴木さんはいるの?

おります! 紀陽除虫菊と同じKOKUBOグループで営業を担当している、株式会社小久保工業所・和歌山本社営業一部の鈴木雅也さんです。鈴木さんが東急ハンズ銀座店に「薬用入浴剤 鈴木」を入れたそうです。東京の人気の売り場に陳列するなんて快挙です。


――反応はありましたか?

営業の鈴木さんの直接の声は聞いていませんが、東京の人気店である東急ハンズ銀座店に陳列するにいたったところをみると、気合を入れて営業活動していのだろうと想像します。

社内の他の人は、もともとがふるさと納税返礼品の企画だし、市販してもたいして反響はないだろうと期待していなかったのですが、意外と東急ハンズで扱っていただけるなと好反応が見られて驚いています。


――商品開発に鈴木さんの意見は取り入れられている?

社員の鈴木さんの意見は特にとり入れていないかと思います。題字は鈴木家ゆかりの書家の方に書いていただいたそうです。

松をイメージした昔なつかしい香りの入浴剤

――入浴剤の成分と効能について教えて

医薬部外品=薬用入浴剤です。
保湿成分として当帰(とうき)・橙皮(とうひ)・人蓼(にんじん)・生姜(しょうきょう)エキスを配合しています。

【有効成分】炭酸水素Na、乾燥硫酸Na、塩化Na
【その他成分】香料、テレピン油、無水ケイ酸、トウヒエキス、トウキエキス、ショウキョウエキス、ニンジンエキス、黄202、青2

【効能】疲労回復、肩のこり、腰痛、神経痛、リウマチ、冷え症、荒れ性、あせも、しっしん、しもやけ、打ち身、くじき、痔、ひび、あかぎれ、にきび、産前産後の冷え症

――社内で使用した感想を教えて頂きたいです。

昭和を思わせるような、昔なつかしい香りの入浴剤です。松をイメージした森林の香りと緑色の湯色でゆったりリラックスできます。

温浴効果でじわじわと体があたたまって血行を促進し、肩こりとか腰痛に効く感じがします。疲れもとれて、冷え症もよくなり、ポカポカしてゆっくり眠れます。

鈴木入浴剤をお湯に溶かすとこんな色
鈴木入浴剤をお湯に溶かすとこんな色

もちろん、鈴木さん以外の方が使っても大丈夫

――鈴木さん以外も使って大丈夫?

鈴木さんはもちろん、他の方ももちろん大丈夫です!鈴木さんからの贈り物、鈴木さんへの贈り物としてもお勧めです。


――鈴木以外の名字で入浴剤を発売する予定はある?

今のところございません。


――反響はあった?

リリースを出してすぐの今はメディア様のご反響がいちばんわかりやすいのですが、普段直接ご縁のないメディア様からもお問い合わせをいただきありがたい限りです。


――全国の鈴木さんに一言お願いします。

全国の鈴木さんが「え?自分のこと?」と思ってくださって、鈴木姓のルーツや和歌山県海南市のことまで知っていただければありがたいです。

ルーツとなる藤白神社・鈴木屋敷が海南市にあること、鈴木屋敷を再生させようという動きもあわせて知っていただければうれしいです。

「鈴木」としたことで、入浴剤をお使いいただくきっかけになれば幸いです。特別な気分でお風呂を楽しんでいただけるかと思います。

画像はイメージ
画像はイメージ

「薬用入浴剤 鈴木」は鈴木さん専用ということではなく、同社の地元愛から生まれた逸品だった。なお、内容量500gでオープン価格(参考価格 税込1980円)。

じわじわと体が温まって血行を促進するとのことなので、これからの寒い時期にはぴったりかもしれない。鈴木さん以外の方も一度チェックしてみてはいかがだろうか。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。