「誰もが使いやすいこと」 全盲エンジニアが進める“ウェブアクセシビリティ”の考え方

カテゴリ:ビジネス

  • 全盲の男性がユーザーからクラウドソフト会社のエンジニアへ
  • サービスに気づきを与え、誰もが使いやすいソフトに改善
  • 色覚障害のある社員によるレビュー会も開催

ウェブアクセシビリティの改善

クラウド会計ソフトなどを提供する会社「freee」で、音声ガイドと点字ディスプレーを使い、資料の作成やソフトの開発などを行う、エンジニアの中根雅文さん。
中根さんは、幼児期に失明し、視覚障害がある全盲のエンジニアだ。
そんな全盲の中根さんだから気づく、「誰もが使いやすいということ」があるのだという。

「freee」エンジニア・中根雅文さん

「freee」では、2019年1月、全盲の中根さんが入社したことをきっかけに、エレベーターやコーヒーサーバー、トイレのドアなど、あらゆるところに点字を設置するなど、社内のバリアフリー化に取り組み始めた。

進めたのは、物理的なバリアフリー化だけではない。
この日、スマートフォンの音声ガイド機能を使い、中根さんが行っていたのは、精算したいレシートをスマホで撮影するだけで、簡単に経費精算の申請ができるアプリのレビュー。

精算アプリ

撮影したデータをアップロードしようとするが、視覚障害のある中根さんには、選択できているかどうかわからない。

中根雅文さん:
これを選んで…選べたのかな?選べたかわかる?

freee エンジニア・阿部諒さん:
わからないですね。画面上にはチェックボックス入ってますけど。

年齢や障害の有無に関係なく、誰でもウェブ上で必要な情報に簡単にたどりつけ、利用することができるウェブアクセシビリティ。
この改善に、中根さんが重要な役割を担っていた。

実は、中根さんは、以前は個人事業主で、フリーの会計ソフトのユーザーだった。

中根雅文さん:
視覚障害者が使うことを考えてないのが随所に見えて、でも、もしかしたら言えば改善するかもなと思い。

中根雅文さん

それを知ったfreeeは、中根さんの視点で、企業の内側からサービスのアクセシビリティを改善する取り組みをしてもらいたいと考えた。実際に中根さんが入社したことで、サービスに気づきを与え、誰もが使いやすく改善。

色覚障害のある社員によるレビュー会も開催

ウェブアクセシビリティの重要性は、ほかのプロジェクトにも波及。
例えば、色覚障害のある社員によるレビュー会を開き、会計ソフトの画面の配色を色覚障害がある人でも見やすく変更した。

会計ソフト画面の配色を変更

パソコンやスマホでの作業が一般的となる時代だからこそ、誰でも使いやすく、簡単に必要な情報にたどり着ける、ウェブアクセシビリティ化が重要だという。

中根雅文さん:
見えているものと、聞こえているものの差が、意識している人でも気づかないことがあるみたいで、聞こえてくるものからしかアプローチしない人間が周囲にいることで、そういった人たちにも、理解しやすい形で認知してもらえるのかな。

(「Live News α」9月19日放送分)

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