大量の“手書き答案”をAIが98%の精度で読み取る! 「テクノロジー×教育改革」はイノベーションを起こすか?

カテゴリ:国内

  • 2020年から小学校教育に英語やプログラミング導入
  • それを好機に「EdTech」企業が、さまざま取り組み始める
  • 大学入試改革で生まれる大量の「手書き答案」対応の技術も

「テクノロジー×教育」=エドテック企業の取り組み本格化

2020年4月から、小学校の新学習指導要領が全面実施されるのに向け、テクノロジーで教育にイノベーションを起こす「EdTech(エドテック)」領域を手がける企業の取り組みが本格化しそうだ。(「EdTech」は、EducationとTechnologyを組み合わせた言葉)
新学習指導要領では、英語が小学3年生から必修科目となり、小学5年生からは通信簿に成績が付く教科となる。また、5・6年生を対象にプログラミング教育が導入される。

プログラミングをめぐっては、文部科学省、総務省、経済産業省が、機運醸成を目指し、9月を「未来の学び プログラミング教育推進月間」としたのを受け、17社・団体が取り組みを実施する予定。
そんな中 LINEは、プログラミング学習プラットフォーム「LINE entry」で、プログラミング教育用のソフトウェア・オリジナル教材などを今秋から一般向けに無料提供することを発表するなど、各社の動きも活発化しつつある。

(LINE entryイメージ)

一方、英語の義務化を見据えた動きとしては、IT人材育成事業を手がける企業でも動きが出ている。
NexSeedでは、英語教員を対象とした英語留学プログラムを実施。
フィリピンのセブ島にある「テックスクール」で、1日7時間の「話す」に特化したレッスンを短期集中型で行った。
参加した教員が授業のデモンストレーションを行い、それに対してフィリピン人講師がフィードバックして、教員の英語力と指導力向上を支援するレッスン。
NexSeedによると、7月と8月に開催した全日程が満員となったそうで、冬休みにも再び開催を予定している。
新指導要領の目玉の1つである、英語の4技能教育の義務化(従来の「読む・書く」に加えて、「聞く・話す」能力)に対応する。

大量の「記述式答案」 AIが読み取る新技術

また2020年度から大学入学共通テストが始まるなど、今後は答案で記述式が重視されると予想される。
そこで課題となるのは、大量の「記述式答案」をどう採点するか。
教育サービスなどを手がけるEduLabでは、そこに着目。手書き文字をAIで読み取る技術の開発を進めている。

例えば、この写真に書かれた文字は、文字だけを見た場合、「2」「2」と読むことができるが、実際は「ユミコ」という名前のフリガナで、「ユ」と「コ」と書かれたもの。
EduLabでは、人が文脈に沿って文字を理解すること踏まえ、複数の文字を一括で読み取るように機械に学習させ、こうした文字を認識可能とした。

漢字の読み取りも正確に…

EduLabによると、手書き答案に含まれる大量の文字データベースをAIに学習させたことで、人間と同じプロセスで文脈を読むことができるようになり、現在では98%の精度で読み取れるという。
AIを活用することで、特定のキーワードが手書きの回答に含まれているかも簡単に確認でき、大規模な採点現場でのさらなる活用を視野に入れる。

今回の新指導要領実施を機に、業種を問わずさまざまな企業が、今まで以上に教育に携わっていくことも予想される。
教育をめぐる取り組みが広がりを見せそうだ。

【執筆;フジテレビ 経済部デスク 西村昌樹】