「1ミリも臭わない」ってホント!? Twitterで話題の“ゴミ袋”はそんなにすごいのか嗅いでみた

カテゴリ:国内

  • クリロン化成の「臭わない袋」シリーズがTwitterで話題
  • 担当者「ニオイの分子が通りにくいので、ニオイが漏れにくくなっています」
  • 臭いが強い納豆・キムチを、実際に袋に入れて嗅いでみた

利用者ベタ褒めの「臭わない袋」

生活をしていると、どうしても出てしまうゴミ。生ごみやペットの糞尿など臭いが気になる場面はあるだろう。
そんな悩みを解決できるかもしれない商品がTwitterで話題となっている。

「この袋本当に凄いから皆に勧めたい。お散歩の時の犬のうんちや、マナーベルトのオムツ、キッチンの生ゴミとか全部これに入れてる。正直これを超える袋など見たことない。本当にこの袋に入れたら1ミリも臭わない。生ゴミもだよ?意味が分からないくらい無臭になる。」


タン.タタン@tantatan_8さんがベタ褒めしているのが、クリロン化成株式会社から発売されている「臭わない袋」シリーズだ。
この袋に入れると1ミリも臭わないという、にわかに信じがたい魔法のような袋だが、種類は「おむつが臭わない袋」(ベビー用)・「おむつが臭わない袋」(介護用)・「うんちが臭わない袋」(イヌ用、ネコ用)・「生ゴミが臭わない袋」(生ゴミ用)の全5種類がある。袋に使用されている素材は同じだという。

価格は種類やサイズによって異なるが、例えば5種類共通でMサイズ90枚入りで1000円となっていて、販売されている他社の袋と比べると高価な印象だ。

Twitter上では「凄いよ。臭いマジ漏れない。」「切らすのが怖くて必ずストックしてます。」「ほんとに臭わない!!!!!!、!!!!感動」「BOSの臭わない袋ほんとにすごい!!かなり重宝してる」など共感の声があがり、約2万1千件のリツイート、約5万9千件のいいねがつく大きな反響となっている。(8月19日現在)

2012年10月に発売開始ということだが、生ゴミやおむつなど臭いが気になりそうなものが本当に1ミリも臭わないのか、だとしたらどんな構造なのか。クリロン化成株式会社の担当者に聞いた。

「“全く臭わない”ということはありません。ですが…」

ーー商品をつくろうと思ったきっかけは?

私たちはストーマ袋(※1)用の素材を数十年間に渡り、製造と開発を続けてきました。

※1 ストーマ袋
大腸がんの一つの治療法として手術にて大腸を切断除去した後に腹部に人工肛門をつくる方法が有りますがその人工肛門から排出される排泄物を受ける筒状の素材の事をストーマ袋と言います。


ストーマ袋には安心して生活をおくるために周囲に臭いが漏れない・破れない・肌に優しい(柔らかい)・音がしないなどの厳しい性能が要求されます。研究開発を続ける中でBOS(※2)の原型となる技術が産まれましたがこれだけの技術はもっと世の中の役に立てるに違いない。
必然的に排泄物で困る事への応用を考えていました。

※2 臭わない袋に使っている技術、素材の事をBOSと呼んでいます。


その後に関連するお話があれば活用を試みてはいたのですが点での活動なので、どうしても芽がでません。
そうこうしているうちに「会社としても技術系のメンバーがもっと外に出て会社の独自技術を形にして、世の中に広めて行かなければ会社の可能性がしぼんでしまう。」ということで開発営業部を発足しましたがこのことが転機となりました。

BOSの持つ可能性に思い切ってチャレンジしてみよう!
営業もマーケティングも素人メンバーでしたが会社には子育て世代や子育て経験者が沢山いるし、BOSへの愛情は盛り沢山なのでなんとかなるだろう。ということで活動をスタートしました。

ひとまず、おむつの処理に興味を持ちそうな企業に業種を問わずに片っ端からコンタクトを取りますが「技術はすごいけど廃棄物にお金を出す人はいないでしょう。」と断られ続けること、1年。
この活動の先にBOSが華を開かせることは無い。ということがはっきりしましたので、それであれば、子育てをされている方・ワンちゃん・ネコちゃんを飼われている方・介護に携わる方・そうした方々に自分達が直接、聞いてみよう。こうして臭わない袋が産まれました。


ーーなぜ臭わない?

袋は見た目には穴が空いていませんがニオイ成分(分子)レベルでは隙間だらけです。なのでニオイ成分は、袋の面を通過してきます。
例えばレジ袋に使用後のおむつを入れたり・ワンちゃんのうんちを取ったりした後に臭いがするので口元をきつく縛りますが臭いはし続けます。これは袋の面から臭いが漏れ出ているのです。BOSは、ニオイの分子が通りにくい様に設計されている為、ニオイが漏れにくくなっています。


ーー本当に1ミリも臭わない?


どんなプラスチックでも臭いを完全に通さないことは出来ません。BOSも“全く臭わない”。ということはありません。
ですが人はニオイ分子が一定濃度以上にならないとニオイとして認識することはありません。従って、袋から漏れ出てくるスピードが遅く人間が感知できる濃度以下になっていれば無臭と感じます。前述の様にBOSではニオイの分子が通りにくい様に設計されているので無臭と感じるケースが多いのだと思います。ちなみに袋から漏れ出たニオイ分子が拡散しないで溜まってしまうとニオイを感じます。
BOSでは密閉式のごみ箱に捨てるよりも開放的なごみ箱に捨てることをお勧めしています。

ーーすべての臭いに対応している?

BOSにも苦手なニオイが有ります。柔軟剤のニオイはちょっと苦手です。
ですが、一般的なレジ袋やPE袋と比べるとほぼすべてのニオイに対して明らかな違いが出るものと思います。


ーー売れ行きは?

広告を殆どやらないので毎年、少しずつですが着実に「BOS知ってるよ!」「BOS使ってるよ!」と言って頂ける機会が増えてきました。

実際に使用してみた

臭いがしない理由はわかったが、本当に臭わないのか気になるので実際に使用してみた。

袋に入れたのは臭いが強い食品の納豆・キムチ。それぞれの物が入っている袋の口をしばった後、臭いがするか嗅いでみた。

右が納豆 左がキムチ

…驚くことに顔を近づけても臭いはしなかった。
この袋がTwitterで共感を得ていたのはどうやら本当のようだ。

続いて、ちょっとお値段が張る理由について聞いてみた。

見た目はポリエチレン袋と同じだが、全くの別物

ーー比較的高価だが、理由は使用している素材?

見た目はPE袋と変わらず共通する部分も多々あるのですが、実は作り方は大きく異なり私たちから見ると全くの別物なんです。
そうした背景がありPE袋と比較すると高価になってしまっています・・・。


ーー制作する上での苦労は?

箱型を商品化する際、どういう形で袋を収納すればBOSを取り出しやすくコンパクトで手に取って嬉しいものになるのかという所を悩みました。

箱を工作し、BOSを入れては取り出してみる。周囲がBOSまみれになり、家に帰っても色々と考えて翌日にアイデアを出し合い、またBOSまみれになる。これを繰り返して今の収納方法に到達しました。とてもコンパクトなところもBOSの特徴で、特許も取得しています。

開発では、防臭性能だけでなく、質感や使い勝手、そしてパッケージの文言に至るまで、全てに想いを込めて造っていきました。
楽しくもあったので、苦労ということでもないのかも知れませんが、一歩進むのに、多くの時間をかけたことが沢山ありました。

蛇腹のように袋をいれるやり方で特許を取得

ーーどんな人に使って欲しい?

ニオイで困っている方やストレスを感じられている方のお役に立てることができれば嬉しく思います。


ーー反響は?

発売しなければつながることも無かった人達との繋がりができ、知ることができなかったことや経験することができなかったことなど、かけがえの無いものを沢山頂いてきました。そうした意味で私たちにとっては反響がありました。


広告をほとんどやっていないということで、口コミでじわじわ広がったとみられる「臭わない袋」。
ペットを飼っていたり、育児・介護中だったり、臭いにちょっとしたストレスを感じている人は一度試してみてもいいかもしれない。