昨年販売終了したばかりの「白黒フィルム」を再発売…富士フイルムに理由を聞いた

カテゴリ:国内

  • 昨秋、販売終了した理由は、需要の減少と生産に欠かせない原材料が入手困難のため
  • フィルム愛好家やSNSを利用する若者からの販売再開の要望に応えた
  • 担当者「SNSでフィルムを知った方にも新しい楽しみ方をしていただきたい」

2017年には「インスタ映え」が新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれるなど、スマホで写真を撮影してSNSにUPすることが日常となった現在。街中では若者がスマホを片手に自撮りをする姿などもあちこちで見られるほど、デジタル写真は世の中に浸透している。

そうした中、富士フイルムが10日、モノクロ写真用の白黒フィルムの販売を今秋に再開すると発表した。新たに発売するフィルムは「ネオパン100 アクロスⅡ」で、サイズは「35ミリサイズ」「ブローニーサイズ」の2種類。

特徴は、世界最高水準の粒状性と立体的な階調再現で、風景写真やポートレート、夜景写真など幅広い分野の撮影に適しているという。

白黒フィルムは需要の減少などを理由に、2018年秋に販売を一旦終了していた。なぜ、たった1年で発売再開となったのか? 担当者に聞いた。

フィルム愛好家やSNSを利用する若者の販売再開の要望に応えた

――再発売を決めたのはなぜ?

昨年4月に需要の減少と生産に欠かせない原材料の入手困難を理由に販売終了のご案内をしましたところ、フィルム愛好家の方やSNSを利用される若い方たちを中心に、すぐに販売再開を望む声をたくさんいただきました。

これを踏まえ、現在の需要に見合った安定的な品質や継続的に生産できるよう製造プロセスの見直しなどを検討してきた結果、今回の発表となりました。


――発売日や価格は?

まだ開発発表の段階でして、発売はこの秋を予定、価格は未定となっています。


――フィルム写真だと、「写ルンです」で撮影した画像をSNSに投稿することが数年前から若者にはやっている。

はい、そうですね。数年前からフィルム独特の風合いを魅力に感じてくださっている若い方たちが、SNSへの投稿を含めて、「写ルンです」を楽しんでいただいています。

新たに発売される「ネオパン100 アクロスⅡ」(画像;富士フイルム)

「自分らしい新しい楽しみ方をしていただけたら嬉しい」

――今回の白黒フィルムは、SNSへの投稿を想定して映えるような特長があったりする?

SNSに投稿するユーザー様向けに新たに開発したわけではありませんので、特にそのようなことはございません。


――フィルム写真を投稿する他に、新しい写真のトレンドはあるの?

「フォトインフォト」というものがあります。例えばチェキ(インスタントカメラ)などである場所や人を撮影して、その撮ったチェキプリント を背景に重ね合わせて 、もう1回スマホで撮影します。写真の中に実物の写真を添えて撮ることが「フォトインフォト」と呼ばれています。

これをSNSに投稿するなどして楽しんでいる方が最近、増えているように感じます。Instagramで「#フォトインフォト」で検索するとたくさん写真があります。

フォトインフォトと呼ばれる撮影法

――再発売する白黒フィルムをどのようにユーザーに楽しんでほしい?

黒白フィルムが好きな愛好家の方はもちろん、SNSをきっかけにフィルムを知った方にも、ますます自分らしい新しい楽しみ方をしていただけたら嬉しいです。


フィルム世代には懐かしくもあり、そしてデジタル世代には逆に目新しく映る白黒フィルムの風合い。スマホで撮影した写真をモノクロに加工することもできるが、フィルムならではの質感が幅広い世代に受けて今回の販売再開となったようだ。