料理に合わせたビール選びを習慣化

三田友梨佳キャスター:
マーケティングアナリストの渡辺広明さんに聞きます。ビールの“体験"がキーワードになっていますが、いかがですか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
消費者のニーズが多様化した今、様々な分野で商品ラインナップの拡充が進んでいます。

もちろんビールもそうで、何よりもまず飲んでもらいたい。その「美味しさ」を体験してもらう 「きっかけ」をつくる必要があり、ビール各社は様々なアプローチを行っていると考えます。

三田キャスター:
今回キリンはワインのように、ビールにも「赤」と「白」を用意しましたが、これは消費者にとって新しい体験で「きっかけ」につながるということですか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
ワインの場合、「赤は肉」「白は魚」といった美味しい組み合わせのペアリングが広く知られていますが、これからは食事に合わせてビールを楽しんで欲しいというのがキリンの狙いではないかと思います。

“家飲み"に関する調査によると、自宅でお酒を飲むシーンで最も多かったのは「食事中」で67%以上となっていて、2位以下の「食事の後」、「くつろぎなら」を大きく引き離しています。

家飲みの習慣がある“飲んべえ"にとって実はビールを美味しく飲むためにつまみを用意するのはなかなかの手間です。
それよりも食事に合わせて飲むビールを選べるように、冷蔵庫に「赤いビール」と「白いビール」を入れて置くのはいかがでしょうか? というのが、キリンの提案ではないかなと思います。

料理に合わせてビールを楽しむ習慣が根付くとビール好きに限らずお酒好き、あるいは、夕食を美味しく食べたいというより広い層にアプローチすることができると考えます。

三田キャスター:
今回のビールのペアリングもそうですが、各社、独自の戦略で私たちのビール体験も変わっていきそうですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
キリンはクラフトビール分野で、ニッチからマスへと市場の本格育成に乗り出していて、その原動力が「美味しさ」であり、より「美味しく」感じられるペアリングがポイントになると思います。

今はビール、発泡酒、第三のビールはそれぞれ税率が違うため、それが価格にも反映されていますが、2026年には税率が統一されます。
これに向けて、各メーカーは価格と味のバランスではなく、「美味しさ」で選ばれる新製品の開発を進めなくてはいけなく、まさに美味しい味のイノベーションが起きるかもしれなく楽しみです。

三田キャスタ-:
ビールの選択肢が広がることでビール楽しみ方も美味しさも幅が広がりそうです。

(「Live News α」9月12日放送分)