新潟空港を拠点とする格安航空会社トキエアが1月31日に就航し、新潟と札幌丘珠空港が空の便で結ばれた。大手傘下を除くベンチャー航空会社の就航は国内15年ぶり。待望の初フライトの裏側を取材した。
苦難乗り越え…就航の日迎える
1月31日の新潟空港。いよいよ就航を迎えた新潟を拠点とする格安航空会社トキエア。

新潟-札幌丘珠線の第1便の乗客は71人で搭乗率は98.6%にのぼり、カウンターには行列も見られた。
搭乗客は「丘珠空港は札幌市街地からもアクセスがいい、すごく低い価格で札幌に行ける、色々な点ですごく楽しみ」「すごくワクワクしている。延期、延期で就航がずれてきた。無事に就航の日を迎えられ、ほっとしている」との声が聞かれた。

トキエアは当初、2023年6月の就航を目指していたが、国の審査などの影響で相次いで延期に…
苦難を乗り越え、迎えた就航記念セレモニーで長谷川政樹社長は「夢を諦めるな。新しい挑戦の懸け橋にというメッセージで頑張ってきた。もっと身近なものにしてご利用いただけたらと思う」と就航の日を迎えた思いを語った。

2023年、県としてトキエアに対し、11億円の融資を行い支援してきた花角知事も「これからの道のりはさらに険しいと想像するが、しっかり乗り越えていただきたい。期待している」と話した。

ついにトキエア離陸! 機内から拍手も
一方、初便のフライトを前にトキエアの職員たちは大忙し…待ちに待った就航への思いを胸に、乗客を迎え入れていた。「色々なところにトキの飛行機を使って行ってほしい」

乗客は搭乗ゲートを抜けて記念品を受け取ると、空港の建物からは歩いて機体へと向かう。

そして午前9時半…ついに、トキエアの機体が離陸。航空業界に新たな歴史が刻まれた。

離陸すると、機内の乗客からは自然と拍手がわき上がった。

機長:
ご搭乗いただきまして、誠にありがとうございます。トキエアの翼を広げて参ります

客室乗務員は「出発前に他の社員が横断幕を持って手を振っているのが私も客席に座っていたのでよく見えた。それを見て、やっと就航できたことに感動して少しうるっとしてしまった」と感極まった様子を見せた。

札幌丘珠空港に到着!新潟のセールスも
そして、離陸から1時間40分…機体は札幌丘珠空港に到着した。

乗客は「本当に新しい航空会社が無事飛んだんだと感動した」「航路上も晴れていて、特に大きな揺れもなく、快適な1時間40分くらいの旅で」と初フライトを楽しんだようだ。
空港の屋上などには到着を見守っていた道民の姿も見られた。

また、到着ロビーでは乗客へ記念品が配られたほか、売店に新潟土産が並ぶなど、歓迎ムードに包まれていた。

到着後、さっそく新潟のセールスも!初便で降り立った橋本副知事や新潟市などは札幌市と札幌商工会議所を訪問。
橋本副知事は「新潟と北海道・札幌の交流がより一層拡大するように努力して参りたいと思う」と交流人口の拡大に向けた期待や経済的な交流の促進への協力を求めた。

延期を繰り返すもようやく就航を果たしたトキエア。長谷川社長は「やったという感じ。今週4便でここを皆様が利用しやすくデイリー化して、どんどん新潟にお越しいただきたい」と話した。

トキエアは今後、仙台線や佐渡線など新たにな路線を拡大していく予定だ。
(NST新潟総合テレビ)