気象庁「記録的な大雨」への警戒呼びかけ

“過去最強クラス”と呼ばれる、台風19号。
中心気圧は925hPa、最大瞬間風速は70m/sという非常に強い勢力のまま北上を続けており、紀伊半島や静岡県などが強風域に入っている。

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本州をすっぽりと覆うほどの大型の台風について、気象庁は緊急の会見で記録的な大雨への警戒を呼びかけている。

気象庁予報部・梶原靖司予報課長:
暴風や高波に加え、関東地方を中心に記録的な大雨となる恐れがあります。
河川の氾濫が相次いだ、昭和33年の狩野川台風に匹敵する記録的な大雨となる恐れもあります。

狩野川台風とは、1958年9月、神奈川県の三浦半島に上陸し、東海と関東に記録的な大雨を降らせた台風22号のこと。
中でも、伊豆半島中部では700ミリを超える豪雨となり、土砂災害や河川の氾濫が相次ぎ、死者・行方不明者1200人以上を出したことで知られる。

住宅の被害は全壊・半壊合わせて約4000棟、浸水被害は52万棟にも及んだ狩野川台風。
今回の台風19号はこれに匹敵する広範囲の大雨となる可能性が指摘されているのだ。

気象庁は大雨特別警報を出す可能性も示唆し、12日の昼からの24時間雨量は、多いところで東海で600~800ミリ、関東・甲信と北陸で300~500ミリの予想。
東京には10月に降る総雨量の3倍の雨
が降る恐れがあるという。

迫る脅威…各地で風雨に備え

海辺では海水が巻き上がり、暴風によって電線が波打つ様子が撮影された小笠原諸島。11日未明には、父島で最大瞬間風速32.5m/sの猛烈な風が観測された。

台風への備えに追われる伊豆大島では、浸水を防ぐための土嚢を積み、強風対策として窓ガラスにテープを貼る住民の姿も。
住民は「とりあえず怖いので、やれることを考えつく限りやるだけですね。死人だけは出ないでほしい」と語っている。

確実に忍び寄っている、台風19号の脅威。
12日の夜には関東南部や静岡県に上陸する恐れがあるというが、12日午前10時、静岡市にはすでに波消しブロックを覆い隠す高い波が押し寄せている。

台風接近で交通網にも打撃

台風19号の接近により、3連休を迎える交通機関にも影響が出始めている。

神奈川県の大磯と小田原をつなぐ西湘バイパスでは、上下線の全線で通行止め。
また、東名高速道路でも上りは清水JCT~富士川スマートIC、下りは富士IC~清水JCTの間で通行止めが発生している。

さらに、JR東日本は、12日の始発から首都圏の在来線と新幹線で順次運転を取りやめることを発表。13日は少なくとも昼ごろまでは運転を見合わせる予定となっている。
これに伴い、JR新宿駅では切符の払い戻しを求める客が長蛇の列を作る場面も見られた。

JR東海は12日の東海道新幹線の東京~名古屋間で終日運休を決定。
山陽新幹線は新大阪駅と岡山駅の間で12日の午前10時29分新大阪発の下りを最後に終日運転を取りやめるとしている。

日本航空は12日の国内線のほとんどの便と国際線の一部の欠航を決定。
全日空は国内線では羽田・成田発着の全便を含む490便、国際線の112便の欠航を決めている。

午後3時現在の予報円
午後3時現在の予報円

3連休を襲う台風19号の脅威。
今後の進路など、最新の情報に注意して備えていただきたい。

(「Live News it!」10月11日放送分より)

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