夏の参議院選挙を前に、にわかに盛り上がりを見せている「消費税減税」についての議論。
野党第一党の立憲民主党も「1年間限定で食料品の消費税率をゼロパーセント」とする案を公約に盛り込むと表明しています。
しかし立憲の野田代表と言えば、民主党政権だった2012年に「消費税増税を含む、社会保障と税の一体改革法」が成立したときの総理大臣でした。
他の野党からは、今回、消費税減税を打ち出したことについて「ポピュリズム」と批判する声もあがる中、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、「状況に応じて対応するのは当然」と物価高の中での減税に賛同。
一方、消費税増税と引き換えに「議員定数の削減」を掲げていたものの、削減が10議席にとどまったことなどを指摘し、「自分たちのお金はたらふく確保しておいて、徹底した改革もやらないで消費税を下げろというのは違うと思う」と批判しました。
■「自分たちのお金たらふく確保して改革やらない 消費税を『下げろ』は違う」
【橋下徹氏】「いやこれは状況に合わせて対応するってのは当然のことですよ。物価高になってるんだったらそれに対応するってのは当たり前で。
ただ、国会議員がみんな野田さんがコロコロ、コロコロ変わったって言っていますけど、僕らも思い出さなきゃいけないのは、皆さん、消費税を増税するときに、野田さんと安倍(晋三自民党総裁=2012年当時)さんが国会で何を約束したか。
『衆議院の定数を大胆に削減する』と言ったんですよ。その削減が実現するまでは国会議員の報酬を『20パーセントカットする』って言ってたんですよ。国会議員何やったか、消費税は増税しました。で、衆議院の定数削減10削減だけで、報酬カット20パーセントはスルッと戻してるんですよ。
だから僕はね、消費税ってのは、上げ下げをやって国会運営すればいいと思うけれども、国民に負担を求めるんだったら自分たちもきちっと身を整理して、お金を整理して、それから大胆な歳出カットもやって、経済情勢によってはまた増税をするとかね、そういう運営をしなきゃいけないのに、自分たちのお金はたらふく確保しておいて、それから徹底した、もう死ぬ気の改革もやらない。それで消費税を『下げろ、下げろ』ってのは僕は違うと思いますけどね」
■政治ジャーナリスト青山氏「野田氏の決断の最大の背景は党の分裂を避けること」
また政治ジャーナリストの青山和弘氏は、野田代表が党内の情勢に配慮して、「消費税減税」を容認したと指摘しました。
【政治ジャーナリスト 青山和弘氏】「野田さんの今回の決断の最大の背景は、党の分裂を避けることですよ。立憲民主党内でやっぱ減税をすべきって人とすべきじゃないって人が、枝野(幸男)さんと、小沢(一郎)さんがつばぜり合いするなど、激しくなって、どうしても党の代表として、これを収めなきゃいけないと。こんなゴールデンウィーク前に決める必要なんか、まだ参議院選挙まで3カ月もあるのに、判断しなきゃいけなかったのは、このゴールデンウィークで署名活動が始まったり、(所属国会議員が)地元に帰って、分裂含みになっちゃうのが怖かった。そういうことだと思いますね」
そして橋下氏は、「食料品だけ消費税率を『ゼロ』にするのは、短期間でできる」と主張しました。
【橋下徹氏】「例えば食料品だけゼロにするっていうのをやろうと思ったらどれぐらい期間できると思います?」
【青木源太キャスター】「与野党がまとまれば、まとまればもうすぐにでもできるんじゃないですか?半年以内でも」
【橋下徹氏】「半年以内どころかね、これ衆議院と参議院で今までの慣例を破れば、2週間あればできる。だからこれ別に『年内』、『年明ける』とか、そんなことじゃなくて、青山さん、衆議院と参議院、1週間で同時で委員会進めていけばできますよね?」
【政治ジャーナリスト 青山和弘氏】「法案を通すまでですね。法案はそれから多少、周知期間、例えばスーパーマーケットのレジの入れ替えとかがあって、実行に移すのが『さあ、いつか』っていうぐらいですね」
青山氏はこう述べて、1週間では、法案を通すことができるかもしれないが、実際に減税が始められる状態になるかはわからないと指摘。
それでも橋下氏は…
【橋下徹氏】「それを今、国会議員の頭の中では法律を通すのが、『大体来年か』って言われている。どんなスピード感だと」
こう述べて、国会議員のスピード感のなさを批判しました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年4月29日放送)