開幕からまもなく1週間となる大阪・関西万博で注目されているのが、大阪府や市が出展する地元館で紹介されているiPS細胞で作られた心筋シートです。
そんなiPS細胞を巡り注目のニュースが飛び込んできました。
18日の“ソレってどうなの?”は「iPS細胞でパーキンソン病を治療?」をテーマにお伝えします。
17日、京都大学はiPS細胞を使ったパーキンソン病の治療法について、治験で一定の効果が確認されたと発表しました。
京都大学iPS細胞研究所・高橋淳教授:
今回少なくとも安全性に関してはかなり安全で大丈夫ということがわかったと思う。これからは、もうちょっと移植する量を増やすとか、あるいはもうちょっと若い人や症状が軽めの人、そういったような方々にも対象を広げていけると思う。まだまだこれは決してゴールではなく、初めの一歩で、これからさらに改善をしていく形かなと思う。
パーキンソン病は、脳内で情報を伝えるドーパミンという物質が不足することで起きる難病です。
体が震える、動作が遅くなるなどの症状があり、これまで根本的な治療法は見つかっていません。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などで知られる俳優のマイケル・J・フォックスさんもこの病気を患っています。
厚労省によりますと、日本国内には25万8000人の患者がいるとされています。
今回発表を行ったのは京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授のグループ。
iPS細胞から作ったドーパミン神経細胞を7人のパーキンソン病患者の脳に移植する治験を2018年から実施しました。
その結果、全員に重い副作用などはなく、患者6人については細胞がドーパミンを生成し、そのうち4人で運動機能の改善が見られたといいます。
患者団体からは喜びの声が上がっています。
全国パーキンソン病友の会 京都府支部・岡田孝支部長:
今まで治らないといわれていたんです、パーキンソン病というのは。現状維持か、もしくは悪くなるということで、それが治るということになっただけで大変素晴らしいニュース。
パーキンソン病に詳しい脳神経内科の内野先生に、どのように感じたか聞きました。
金町駅前脳神経内科・内野勝行院長:
(これまでは)結果的にドーパミンを出すための治療をしていたんですけど、ドーパミンが出るようにするという根本治療になります。今までとは全くアプローチが違う治療。かなりセンセーショナルで、パーキンソン病は治せないというのが前提としてあったので、これでようやくパーキンソン病の方々に光が見えた。難病の概念として変わるような第一歩になる治療。
今回の治療に使われたiPS細胞がどんなものか知っているか街で聞きました。
40代:
iPS細胞、病気を治す感じ?テレビで耳にはします。
40代:
山中教授でしたっけ、ノーベル賞取られた。記憶にはありますね、未来の再生医療が期待できるイメージ。
60代:
iPS細胞って万博で心臓の細胞再生する。
60代:
パーキンソン病のニュース見ました。
iPS細胞はノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功しました。
再生医療や病気の原因を解明し、新しい薬の開発などに活用できると考えられています。
街の人に今後iPS細胞にどういったことを期待するか聞きました。
70代:
再生医療ですね。主人が10年前にがんで亡くなった。いろんな治療や再生医療のこととかも聞いたけどダメだったんで。
20代:
1人でも多くの命が助かるならそれでいい。難病と言われていて、今までの技術では治らなかったものに活用してもらうことができるのであれば、それは素晴らしいこと。
パーキンソン病をはじめ医療の発展に大きな期待が寄せられているiPS細胞。
できるだけ早く実用化することを期待しましょう。