押収されたのはライフル型「長男が撃った」と容疑を否認

笑顔で写真に写る常慶雅則容疑者(24)と妻の常慶 藍容疑者(24)。

同い年の夫婦は、11月6日に傷害の疑いで逮捕された。事件の被害者は実の我が子だった。

(左)常慶雅則容疑者 (右)常慶藍容疑者
(左)常慶雅則容疑者 (右)常慶藍容疑者
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事件は、福岡県田川市にある県営団地の一室で起きた。

警察の調べによると、2018年11月下旬、夫婦2人は当時1歳だった三男の唯雅ちゃんに向け、エアガンを数十発発射。全治3週間のケガをさせた疑いが持たれている。

事件が発覚したのは2018年12月1日。藍容疑者からの「就寝中の息子が息をしていない」という119番通報がきっかけだった。

駆けつけた救急隊員が目にしたのは、唯雅ちゃんの体に残る複数の傷痕だった。

丸いあざのような傷跡は、顔を含めて全身数十か所に及んでいたことから、消防は警察に通報。唯雅ちゃんは病院で死亡が確認された…死因は肺炎だった。

近隣住民:
ママとパパの子どもと遊ぶ姿も(見たこと)ないし。暗い…明るい家庭じゃない

事件当時、容疑者2人は長男、死亡した三男の唯雅ちゃん、長女の5人で暮らし。次男は2016年に病死したとされ、事件後の2019年7月には次女が生まれたという。

常慶雅則容疑者の知人:
(子どもを)ひとり抱っこしていて、ひとり一緒に歩いていました。(容疑者2人は)無表情。

常慶雅則容疑者は、任意の捜査段階で「エアガンで撃ったことはない。長男が撃った」と、唯雅ちゃんをエアガンで撃ったのは当時3歳の長男などと供述。逮捕後の調べでも容疑を否認している。

しかし、押収されたのは片手でも扱えるピストル型ではなく、両手を使うため小さい子どもでは扱うのが難しいライフル型だった。

長男にも虐待か「顔が腫れている」と児童相談所に通報

さらに、その長男への虐待についても新たな疑惑が浮上している。

2018年1月、田川市の児童相談所に「長男の顔が腫れている」という通報が寄せられていたことが分かった。この時、両親2人は「走り回っていてぶつけた」と説明したため、児童相談所は虐待ではないと判断。

この長男に関する通報から約10ヵ月後、常慶雅則容疑者と妻の藍容疑者は、エアガンを数十発発射し、三男の唯雅ちゃんにケガをさせたとみられている。

警察は日常的な虐待がなかったか、唯雅ちゃんが死亡した経緯を含めて調べを進めている。

事件前から児童相談所に通報があったのに…

加藤綾子キャスター:
これが事実であれば、本当に信じられないような話です。柳澤さん、このような虐待のニュースを聞くと、どこかのタイミングで止められなかったのかと思ってしまいますね?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
2018年1月に児童相談所に通報していますよね。今にして思うと、その段階から警察的、強制的な手が必要だったのではないかと思います。ただ一方で、日本では親子の関係、家庭の中というのは外から見ると不可侵の世界で、なかなか手が入れにくい部分があります。我々の頭の中を少し変えていかないと、こういう事件は防ぎようがないのではないか、そういう時期にきているような気がします

(「Live News it!」11月7日放送分より)