通常国会が21日に事実上閉会し、政局の焦点が秋の自民党総裁選に移る中、若手議員から岸田首相に総裁選不出馬を求める発言が飛び出した。

北海道・旭川市で22日行われた北海道6区支部の会合で挨拶した東国幹衆院議員は、「岸田総理・総裁は先延ばしできない諸課題をとにかく完結しようと表明されて今も頑張っていただいている。ただ私はこの半年あるいは1年間の党の顛末を顧みると、個人的な思いだが岸田総理・総裁はゆめゆめ再選などと軽々しく口にすることではなくて、思いとどまって、むしろ自民党に新しい扉を開くその橋渡し役を私は担ってもらいたい」と述べた。

東議員はさらに「自由闊達な総裁選を9月に行使しないといけない」とした上で「開かれた党、国民の信頼回復には、新しい門出が求められると思う」と述べ、岸田首相の交代が望ましいとの考えをにじませた。

岸田首相は21日の会見で、新たに経済対策を策定する方針を示し「道半ば」と述べるなど総裁再選への意欲をにじませているが、自民党内では麻生派の若手議員も「こういう状況に至った責任は、最終的に誰かが取らなければいけない」などと岸田首相の責任に言及している。

今回発言した東議員は衆院当選1回の若手で、政策集団に移行することとした茂木派に所属している。

この会合で、東議員に続いて講演した自民党の茂木幹事長は、党の低迷を招く要因となった政治資金問題を陳謝した上で「全く新しい自民党に変わっていく強い決意をもって、取り組みを継続したい」と述べた。

その上で「日本は今、人口減少・少子化・物価高・厳しさを増す安全保障環境など内外の厳しい課題に直面している」として「政治本来の役割にも取り組んでいかないといけない」と強調した。

茂木氏は今後日本の労働人口が毎年35万人規模で減少していく中で日本経済が本格再生していくために、「成長分野の投資を促し、労働移動を支援することで、全体の生産性を上げ、1人1人の所得を増やしていくことが最優先だ」と指摘した。

また、個人の金融資産を投資に回すことが必要だとしたほか、全国に500拠点あるハローワークを活用し「求職と求人をマッチングさせることで労働移動は進む」と強調し、半導体やAIなどの最先端技術の生産拠点を地方につくり設備投資することで、地方振興に繋げていく必要性にも言及した。

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