3日から大型連休の後半、4連休です。
被災地に多くのボランティアが訪れることが期待されていますが、課題はどんなところにあるのでしょうか。
民間ボランティアの活動に密着しました。
輪島市三井町にある民間ボランティアの拠点「のと復耕(ふっこう)ラボ」
地震の発生当初からこれまでにおよそ400人が宿泊しながらボランティアを続けてきました。
ミーティング:
「おはようございます。今日は4月29日月曜日ですね」
毎日行われている朝礼。
代表を務めるのは10年前に東京から能登に移住した山本亮(やまもとりょう)さんです。
のと復耕ラボ 山本亮さん:
「ようやく(ボランティアが)少ない少ないといわれていた状態がちょっと回復してきている。ようやく来ていいっていう状況になってるんじゃないかと感じています」
この日、最初の依頼は崩れたコンクリートブロックの片付け。
この家は高齢者しかおらず、運ぶことすらできませんでした。
住民は:
「いやー助かるよ。若者は。これね、その溝の中落ちてた。農業始まるので水通さないと。上まではやっとあげたけど、これから先は無理やなと思って」
ボランティア4人で作業にかかった時間はわずか1時間です。
山本さんたちのボランティアは力仕事だけではありません。
子供と遊ぶスタッフ:
「Q金太郎さんはボランティアですか?」
「そうです」
地震の影響で休業している保育所を使って保護者が仕事から帰ってくるまでの間 子どもたちを預かります。
この場所ができたきっかけは住民からの声です。
山本亮さん:
「三井は保育所も小学校も児童クラブも全部三井町の中にあったんですけど、今回震災があったあとは輪島の町中に集約化されてしまって、そうすることによって親御さんにとっては送迎できなくなってしまうという課題、子どもたちにとっては今まで過ごしてきたコミュニティとちがうところで過ごさなければいけない不安とかストレスがあるっていうのが課題として(上がっていた)。いろんなボランティアの方に支えていただいて運営できているという状態ですね」
スタッフは日替わりではなくおよそ1カ月間、長期で滞在しているボランティアが務めます。
保護者が少しでも安心して子どもを預けられるようにするためです。
長期ボランティア:
「子供たちからしても大人が日替わりで来るよりもやっぱり一人の安心できる大人と長くいたほうが居場所として感じられます」
のと復耕ラボによると、3日はこれまでに最も多い50人のボランティアを受け入れ、自宅の片付けなどが大幅に進むことが予想されています。
その一方で、自宅を公費解体する日程が決まらないためボランティアを頼むことを 躊躇する住民も多いといいます。
山本亮さん:
「いつボランティアをお願いできるか分からない状況で不安を抱えている方がいるので、この活動は長く続けていく必要がある。そうなったときにそれを支えてくれる仕組みは今後の災害時でも大事なんじゃないかなと感じています」
山本さんは今の課題として、「二次避難などで住民がばらばらになったことでコミュニティの維持、情報の周知、住民のお困りごとの把握が難しくなっている」としています。
そのため、「行政が持っている二次避難者リストの活用など民間ボランティアと行政の横のつながりを強くしていくことが今後の課題」だと訴えています。