危険な“ビルの解体現場”があると聞いて、「めざまし8」の取材班が向かったのは愛知県名古屋市。
この記事の画像(15枚)田中良幸情報キャスター:
かなり大きいコンクリートが斜めになってしまっています。
現場にあったのは粉じんが舞う半壊のビル、道路には解体したコンクリートの破片が散乱しています。ビルの一部はシートで覆われているものの、道路に面した部分はがれきがむき出しになっていました。
苦情を訴える近隣住民:
(帰宅時に)通るじゃないですか。そしたら、積まれているものが…砂利とか削ったものがあって、そこに斜めに重機があって、わ…怖いなと思ったんですよ。なにもされてないじゃないですか。囲いが。「なんだろう」と思っていましたよ。
17日から始まったという解体作業。18日にも現場に4人ほどが作業に訪れていましたが、話している言葉に耳を傾けると、聞こえてきたのは日本語ではありませんでした。
道路に大きなコンクリート片が飛ぶ様子を見たという人もいて、近隣住民からは不安の声が上がっています。
さらに、車庫に置いている車や自転車は粉じんだらけに。
田中良幸情報キャスター:
こちらの向かいの家、車のフロントガラスの部分に新聞を貼り付けていますね。
苦情を訴える近隣住民:
(振動で)揺れるしすごく音もうるさいし気持ち悪いしで、ちょっとつらい。解体が終わるまでは洗濯干せないですし。窓も開けることもできないし、困ったなという感じです。
囲い「あえてやっていない」責任者を取材
解体作業で住民から苦情が出ている現状を、責任者はどう受け止めているのか。解体現場の責任者を取材すると…。
解体現場の責任者:
真摯に受け止めて、作業のほうは近隣の方にこれ以上迷惑を被らないようにさせていただこうと思います。お電話も頂いていたので、ご対応はもちろんさせていただきますので。
――解体現場の一部がむき出しになっていますが
高層階の建物だとそうなんですけど、これくらいだとしない場合もあるので、そのようなものを設置しないといけない時は、うちからも設置させていただくので。そこで、例えば…あえてやってないといいますか、そういう形ですね。
僕らも違法なことをしているわけではないので、適切な処置で解体をさせてもらっているので。もちろん近隣の方に迷惑かけながら作業していいというわけではないんですけど、最大限、僕らのできるかぎりをやらせてもらって、作業はやらせてもらう形ですね。
違法性はなく、今後も解体作業は続けていくといいます。
しかし、囲いがないことについて、名古屋市役所に問題はないのか確認したところ、「法令違反」になる可能性もあると指摘します。
名古屋市役所:
判断はまだできませんが、建築基準法で求められている、工事中の仮囲いや落下物の飛散防止等の措置が講じられていなければ、法令違反となります。
(今後)仮囲い等が十分でなければ、必要な措置を講じるよう工事業者を指導します。
今後 解体現場を確認した上で、指導などの判断をすると話す市側。
さらに、めざまし8は解体作業の専門家に現場の映像を見てもらいました。
一般社団法人あんしん解体業者認定協会 中野達也理事:
一言で言えば、非常に危険だなというところです。すでに屋根の方からぶら下がっているコンクリートの塊が見えると思うんですが、この落下による負傷、事故、こういったところが真っ先に危ないなと。
2023年9月に確認された東京・品川区の危険な解体現場は、苦情が相次ぎ東京・品川区が工事の停止を指示をする事態となりましたが、今回の名古屋市のケースはどうなっていくのでしょうか。
(めざまし8 4月19日放送)