パレスチナの国連正式加盟に向けた決議案が国連安全保障理事会でアメリカの拒否権によって否決されたことについて、林芳正官房長官は19日の会見で、「安保理が適切な形で意思表示できなかったことは残念だ」と述べた。
さらに林長官は、「我が国は、パレスチナが国連加盟に係る要求を満たしているという認識のもと、中東和平の実現に向けて、和平交渉を通じた国家の樹立を促進するとの観点を含め総合的に判断し、決議案に賛成した」と強調した。
18日に国連で行われた採決では、日本を含む12か国が決議案に賛成したが、アメリカは「パレスチナの国家化は当事者間の直接交渉によってのみ実現する」として拒否権を発動した。
一方、日本がパレスチナを国家として承認していないことについて問われた林長官は、「パレスチナ国家として承認することは別個の問題だ。我が国の立場に変更はない」と述べた。