2027年度以降の富山県の県立高校再編に向けた具体的な議論を前に、今後の県立高校のあり方を検討する会議の代表が教育長に提言書を手渡しました。
生徒に多様な選択肢を与える再編を進めることも盛り込まれています。

18日、「県立高校教育振興検討会議」の品川祐一郎会長が県庁を訪れ、廣島伸一教育長に高校再編などについての提言書を手渡しました。

*県立高校教育振興検討会議 品川祐一郎会長
「中学卒業予定者の大幅減少が見込まれる中、高校教育を充実のため委員で丁寧に議論した。魅力ある高校教育を通した『ウェルビーイング』の向上、学びたい・学んでよかったという高校づくりという目指す姿を提言した」

「県立高校教育振興検討会議」は、将来的な県立高校の再編に向け、再編の対象となる学校の規模や学科やコースの見直しに関する基本方針をまとめようと去年5月に1回目の会合が開かれました。

学識経験者や教育関係者など15人の委員が今年3月まで6回にわたり議論した結果、再編の対象となる規模は2020年度と同じ「1学年4学級未満または160人未満」としたうえで、「1学年4学級以下または160人以下」の学校についても再編統合の検討対象とする方向性が示されました。

中学校の卒業予定者が今後も減少を続け2036年には、現在の7割程度になると予測されていることを念頭に、様々な規模の学校をバランスよく配置することも考える必要があるとしていて、これによって再編対象校は現在の10校から17校に増えることになります。

一方で、学科・コースの見直しについては、データサイエンスやスマート農業、地域連携など特色・魅力ある教育課程の実現を求めていて、生徒が多様な選択ができるよう様々な学科構成や規模の学校をバランスよく配置することが望ましいとしています。

従来の再編で見られた一定の基準で学校数を減らすのではなく、生徒の通学の利便性や選択肢を幅広く残すことに重点が置かれています。

廣島教育長は「ビジョンを示していただいたことはありがたい」と答え、早ければ来月にも「総合教育会議」を開催しより具体的な再編の議論に入ることを示しました。

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。