2兆円規模のドラッグストア業界の大型経営統合に暗雲が立ちこめることになるのか、17日、業界1位「ウエルシア」トップが不倫で辞任した。

ウエルシアホールディングスの松本忠久社長が、私生活で社外の女性と不倫行為があったことを会社に申し出て、17日付で辞任したのだ。

松本氏は66歳。実家は薬局で、北陸大学の薬学部を卒業後、大手ドラッグストアのサンドラッグに入社し、2006年からライバルであるウエルシアグループの子会社で副社長を務め、2019年3月、ウエルシアホールディングスの社長に就任した。

東京オリンピックでは聖火ランナーにも選ばれ、トーチを片手に緊張した表情を見せるシーンもあった。

現在、ウエルシアは業界2位のツルハドラッグとの経営統合に向けた協議を進めていて、松本氏は主導的な役割を果たしていた。統合を発表する会見で松本氏は、「1日も早い実現に向けて、わたしの職責を全力で果たしていく」と話していた。

業界再編の真っただ中で突然起きた主導役の辞任は、統合計画にどう影響するのか。

ウエルシアは「コメントを差し控える」としているが、経営コンサルタントの林大吾さんは、「統合自体が2027年末を目標にしているわけだが、これが遅れるのではないかという懸念が投資家の中である。大型統合が遅れることで、チャンスをつかむんだと中小のドラッグストアの再編が進む可能性はある」と指摘する。

ウエルシアは、後任の社長については未定だとしている。