4月15日に北海道鷹栖町の飼育施設から逃げ出した「アメリカン・ピット・ブル・テリア」。いまだに目撃情報がなく、警戒が続いています。
  
 逃げ出した大型犬「アメリカン・ピット・ブル・テリア」、名前は「ボス」です。

 1歳8か月のオスで体長約60~70cm、体重は20kgほど。灰色の毛で首輪をしていました。

 飼い主のブリーダーなどによりますと、15日午前9時30分ごろ飼育施設内で首輪をつけようとした際に、通りかかったトラックに反応。追いかけるように旭川市方向へ逃げたといいます。

 「アメリカン・ピット・ブル・テリア」とは、どのような犬なのでしょうか。

 飼育動物の行動学に詳しい専門家は。

 「世界的に見ても犬による死亡事故の多くが、ピットブルなどの攻撃で人が命を落としている。体も大きいし、かむ力も強いので一度攻撃されると被害が大きくなる傾向がある。全てのピットブルが危険というわけではない。本当に穏やかな個体もいる」(獣医行動診療科認定医 奥田 順之 獣医師)

 犬が逃げ出した施設から鷹栖町の市街地までは直線で約2km。近くの小学校では保護者や教職員が児童の登校を見守りました。

 「『近づいてきたら怖い』と子どもが言うので、心配でついてきた」(保護者)

 「いつもは自転車登校だが、きょうは送り迎えをしてもらう」(高校生)

 鷹栖町では捕獲するための“箱わな”を設置しました。

 警察は、見かけたら近づかずに110番通報してほしいと呼びかけています。

ピット・ブルはもともと闘犬として品種改良されて誕生したイヌで、体が大きく噛む力が非常に強いのが特徴です。

札幌市では、人に危害を加える恐れが高い犬として「特定犬」に指定されています。

ピットブルによる事故は過去にも起きています。

2024年4月7日には栃木県で、逃げたメスが小型犬を襲い、男女4人を噛みました。

2023年6月には、香川県で逃げた2匹が飼い主と70代女性を襲うケースもありました。

獣医行動診療科認定医の奥田順之獣医師によりますと、ピットブルに遭遇した場合、イヌがパニックになっている可能性があり、近づかないよう注意を呼び掛けています。

北海道文化放送
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