春の行楽シーズンを迎え、大勢の外国人観光客が秋田県内を訪れている。例年よりも早くクマの出没が相次いでいる中、外国人観光客に危険性をどうやって伝えていくかが課題となっている。多くの観光名所を抱える仙北市が、積極的に対策に努めている。

 県内有数の観光地・仙北市の田沢湖。秋田と台湾を結ぶ定期チャーター便の効果もあり、16日も多くの外国人観光客が訪れていた。

 田沢湖畔では4月9日、食堂兼住宅の小屋に体長約70センチのクマが入り込み、一晩居座った。そして翌朝、箱わなで捕獲された。

 捕獲されたあと、住人の女性は「観光地の客に飛びつかなくて良かった」と話していた。

 周辺では、たびたびクマが目撃されていて、観光地ならではの問題に悩まされている。

 竹島知郁アナウンサー:
「インバウンド客が多く訪れる田沢湖。クマへの知識が十分ではないインバウンド客が、子グマを触ろうとしたり、餌を与えようとするケースが発生しているという」

 子グマの近くには親グマもいる可能性が高く、近づくのは当然危険。クマに怖さを感じていない外国人観光客に、危険性をどのように伝えるかが重要となっている。そこで仙北市は、台湾語と英語で注意を呼びかけるポスターとチラシを作成した。

 仙北市農林整備課・高橋達課長:
「遠くから見ればかわいい動物に見えるかもしれないが、住んでいる側から見れば危険な動物の一つ。仙北市は観光地がたくさんあるので、観光客にも周知をしたかった」

 ポスターには、子グマを見つけても近寄らないことや、餌を与えないこと、襲われたときの対応などが記されている。

 ポスターは、観光案内所や土産店、飲食店など多くの人の目に付く場所に掲示されている。

 また、周知には地元の人の協力も必要となる。

 仙北市農林整備課・高橋達課長:
「『見かけはかわいく見えると思うが危険な動物なんだ』と。『危険なので近づかないでください』『この場所からすぐに離れてください』という声かけをお願いしたい」

 仙北市は、ポスター、チラシ以外にも情報発信の方法を探っていくことにしていて、今後の取り組みも注目される。

秋田テレビ
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