メビウスの“とことんふるさと応援隊”です。今回は西日本豪雨の被災地で行われた
桜の植樹に駆けつけました。東北の高校生から届いた復興を願う桜。被災者をつなぐ思いに迫ります。
先日メビウスの元に一通の手紙が届きました。
『はじめまして。宮城県農業高等学校科学部部長の譜久原 翼です。１３年前の震災時に色々とご支援頂きありがとうございました』
この手紙と共に送られてきたのは“玉夢桜”（たまゆめざくら）という品種の桜の苗木です。
（メビウス・マミ）
「東日本大震災が起きた時に、私たちなりに何かできないかという思いでチャリティーライブを熊野町でやったり、復興ＣＤを作って義援金を集めさせてもらったんですが、その義援金を届けたのが宮城県農業高校で」
“音楽を通して被災地への支援を”
と活動する中で、メビウスの二人は震災の翌年２０１２年３月に宮城県農業高校を訪れました。広島からの義援金やメッセージと共に生徒たちに楽器や音響機材を届けました。
（メビウス・ノリエ）
「実際に高校生の皆さんとふれ合いの時間を持たせていただいたんですけど。やっぱり風化していく事を一番気にされていたというか、忘れて欲しくないという思いもあったと思うので」
被災地で目の当たりにした災害の恐ろしさ。
彼女たちが宮城県を訪れた６年後、地元広島でも大きな土砂災害が発生しました。
この時、二人の故郷・熊野町に思いがけない支援が届いたのです。
（マミ）
「宮農の学生さん達と先生方がすぐに熊野町のためにという事で、宮城からお米を持って来てくださったり、そういった形で逆に支援をうけた」
被災地と被災地を繋ぐ温かい支援の輪。
今回宮城県から届いたこの桜の苗木は宮城県農業高校で開発された“玉夢桜”です。
震災の津波に耐え、奇跡的に生き残った旧校舎の桜を接ぎ木で増やしたもので、生徒たちはこれを復興の桜として被災地に植える活動を行っているんです。
（マミ・ノリエ）
「こんにちは！お久しぶりです」
二人が訪れたのは熊野町川角地区の団地 大原ハイツ。
２０１８年の西日本豪雨で大きな被害をうけた場所です。
(マミ)「復興への架け橋という事で、ここ大原に植樹をしていただきたいんですけど」
(大原ハイツ復興の会・小川 直明さん)「ぜひお願いします。ありがとうございます」
（マミ）「この辺りは、桜はあったんですか？」
（小川さん）「以前はありました」
（住民男性）「（立派なサクラが）３本あったんです」
（マミ）「土砂災害で？」
（住民男性）「一緒に流れて無くなった」
（マミ）「豪雨災害をうけた後、大原の皆さんはどういった繋がりをもたれている？」
（小川さん）「いざ何かあった時には平素からの繋がりが大事ですから。繋がりを強めるような活動を中心にしているんですけど。花を植えたりとか餅つきをしたりとか。住民同士の繋がりが強まっていくような取り組みをしています。以前からあったので桜を植えたいねって言いよったんです」
（マミ）「よかった」
桜を見ることで、地域の人たちに笑顔になってもらいたいと高校生から届いた復興の桜。
それぞれの思いを胸に住民たちの手で植樹していきます。
（マミ）「今これは…」
（住民男性）「上じゃダメなんじゃって！」
（マミ）「揉めてる…」
（住民男性）「ボンボン入れちゃダメじゃって！」
（マミ）「仲良くしてもらっていいですか」
（住民男性）「桜の木を定着させるのに、根の中に全部泥が入って動かなくなったら定着する」
（マミ）「隙間の無いように？」
（住民男性）「そうそう、根にね」
（マミ）「難しいんだ」
（住民男性）「難しいです」
（マミ）「やり方があるんですね」
（住民男性）「みたいね」
（マミ）「皆さん慣れてるけど今日初めて？」
（住民男性）「初めてよね。こんな事するのは」
（マミ）「ありがとうございます」
宮城県農業高校で開発されたこの“玉夢桜”は塩害に強く二酸化炭素の吸収にも優れた品種です。気候変動対策に貢献できる桜として環境大臣賞を受賞。
復興を象徴し、持続可能な未来を照らす桜としてこれまでに１０００本を超える木が全国の被災地に植えられています。開始からおよそ２時間。
大原ハイツの未来を明るく照らす５本の桜が無事植樹されました。
（マミ・ノリエ）「完成！！」
（マミ）「ここで大きな木に育ってくれて、みんなが見に来てくれるような公園になったらいいな」
（住民男性）「そうですね。ここで皆が花見でもできればね」
（住民女性）「賑やかになっていいと思います。元々災害の前は桜がバーッとあったので。
寂しかったですよね。やっぱりね。６年目か…でもやっぱり雨は怖いね。声かけはしています。何があっても行くよ！とかね。絆はやっぱり強くなりましたね、あれからね」
（小川さん）「意味の深いというか、そういう桜なので。生徒さんや先生、地元の人たちの思いを受け継いで。桜の木をいただいただけじゃなくて、気持ちもいただいたような思いがしますので大事に手入れします。本当にありがとうございました」
メビウス ＜ ♪ まっとって ＞ 披露
（マミ・ノリエ）「今日は本当にありがとうございました。満開の桜が咲いたら皆でお花見しましょう！」
