韓国で高校生ら300人以上が亡くなった旅客船「セウォル号」の沈没事故から、16日で10年がたった。
今も原因究明を求める遺族の声を聞いた。

2014年4月16日、旅客船「セウォル号」が沈没し、修学旅行中の高校生ら304人が犠牲になった。

セウォル号は、事故から10年たった今も保存されているが、船体は茶色くさび、年月がたったことを感じさせる。

事故の真相解明を、遺族は今も求め続けている。

娘のジソンさん(当時16)を失った、ムン・ジョンテクさん(61)。

沈みゆく船内にいるジソンさんから電話があったことを振り返る。

ムンさん「『パパ、船に水がたまってきている』と言ったから『出てこい』と言った。これが最後の通話になった」

娘をなぜ失わなければならなかったのか。
ムンさんは父親として、その原因を追い続けている。

ムンさん「誰もしないのならば、私が明らかにしなければならない」

事故から10年の節目に行われている追悼会場から、FNNソウル支局・一之瀬登支局長が中継でお伝えする。

16日午後3時50分現在も続いている追悼行事は、犠牲となった生徒たちが通っていた高校の近くで行われている。

会場には2000人以上が集まり、1人ひとりの名前を呼んで犠牲者をしのんでいた。

遺族が強く訴えているのは、「事故がなぜ起きたのか」という原因の究明。

これまで政府などが設置した調査委員会の報告書でも、事故原因は明確には示されていない。

遺族らは、当時の政府資料の公開や政府関係者の処罰を求めている。

── 韓国にとって非常に衝撃的な事故となったわけだが、10年がたつ今、どう受け止められている?

韓国メディアも、事故から10年の節目に、あらためてこの事故を多く取り上げているが、事故現場の映像や写真は、遺族への配慮などもあり、ほとんど使われていない。

犠牲者の多くが高校生だったこともあり、この事故が韓国国民に与えた衝撃は、今も深く残っているといえる。

フジテレビ
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国際取材部
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