各都道府県の持ち回りで開催され、天皇皇后両陛下も毎年観覧される国民体育大会、通称「国体」。2024年から、国民スポーツ大会「国スポ」に名称を改め、2035年には、開催都道府県が3巡目に入るが、その国スポ開催の在り方に真っ向からかみつく知事が現れた。

2030年に大会が予定されている島根県の丸山達也知事は12日、「今回の2030年の国スポは、血の小便(血尿)を出してなんとかやれる」と話した。

開催費用は約265億円とみられるが、国からの補助は5億円程度だという。

丸山知事は国体を主催する日本スポーツ協会について、「王侯貴族のように自分たちで勝手に決めて都道府県にやらせる。事実上やらせるだろうと思っている、その不遜な考え方が本当におかしい。50年後にできると考えている人の脳みそは、小学校からやり直した方がいい」と痛烈に批判した。

こうした声は、ほかの県知事からも相次いでいる。三重県の一見勝之知事は国スポについて「一定の役割を果たしたんじゃないか」と発言。岩手県の達増拓也知事も、「今までのような形での開催は、極めて困難」と話した。

開会式には毎年、天皇皇后両陛下も出席される国スポは、陸上やサッカーをはじめ、剣道や馬術など、多くの競技が実施される一大イベントだが、選手の交通費や宿泊費などを負担するのは、開催する都道府県だ。そのため、見直しや大会自体の廃止を訴える声が相次いでいる。

今回、最初に声を上げたのが、全国知事会の会長でもある宮城県の村井知事だった。

村井知事は15日、全国の知事にアンケート調査を行い、主催の日本スポーツ協会に意見を提出する方針を示した。

一方で、廃止に反対する知事もいる。佐賀県の山口祥義知事は、「廃止という乱暴な議論ではなく、みんなで知恵を出し合う形がいいと思う」と声を上げた。

また、競技に取り組む側からも切実な声が上がっている。
何度も日本一に輝いたことがある女子バレーボールの名門、宮城・古川学園の岡崎典生監督は、「郷土の誇りをかけて戦うバレーボール界にとっては、国スポは本当に大事な大会。地方が賄いきれないとなったら、最後は国が面倒を見るべき」と話した。

政府は、持続可能な大会となるよう検討を進めたいとしているが、今の形のまま開催し続けることはできるのだろうか。

FNN
FNN