10日からお伝えしている来週月曜に退任する蒲島知事への単独インタビューです。
2回目の11日は蒲島県政を語る上で欠かすことができない『くまモン』について、
元側近が明かすマル秘エピソードを交えてお伝えします。

【蒲島知事】@定例会見
「2023年のくまモン利用商品の売上高が1664億円となり、前年から約74億円増加して過去最高額となった」

4月5日、任期中最後の定例会見で蒲島知事は長年共に活動してきたくまモンについて「県民にプライドと夢、心の豊かさを与えてくれる世界一の公務員だ」とこれまでの活躍をたたえました。

【蒲島知事】
「くまモンが成功した理由の一つは国内のイラスト利用についてロイヤリティーフリー、いわゆる『楽市楽座』としたこと」

2011年の九州新幹線全線開業を盛り上げようと、その前年に誕生したくまモン。

県の許可があれば無料でキャラクターやロゴを使用できる仕組みを採用しました。

【元副知事・小野泰輔衆議院議員】
「損して得とれというのが必要だと思って、著作権のフリーを提案したけど、そこまでうまくいくとは思わなかった」

蒲島知事の東大教授時代の教え子で当時、県の政策参与としてこの仕組みを提案した
元副知事の小野泰輔衆議院議員。

「県庁職員の提案で、くまモンの著作権を水野 学さんから買い取り、県がくまモンを自由に使えるようにしたことが大きかった」と振り返ります。

その一方で、くまモンが誕生した当初、「蒲島知事はくまモンよりも県の宣伝部長の
あのタレントへの関心が高かった」との証言も…。

【元副知事・木村 敬氏】
「くまモンが出てきたとき、蒲島さんはそんなに…。それよりも(宣伝部長の)スザンヌさんに当時、思い入れが強くて」

小野さんと同じ蒲島知事の教え子で元副知事の木村 敬さんです。

くまモンがゆるキャラグランプリで日本一に輝いた2011年。当時、総務官僚で
熊本県に出向する前だった木村さんが蒲島知事に電話すると…。

【元副知事・木村 敬氏】
「『これはすごいことになりますね、先生』と蒲島知事に電話したら、『木村君、だけどね…。すごいんだよ、スザンヌが庁議に出るんだ』という話をされた。
庁議というのは県の幹部会議のことで『そっちのほうがすごいよ』ってくまモンよりもスザンヌに当時はご執心だった」

その後、中国など海外で県の利用許可を得ていない偽物のくまモングッズ、
いわゆる『偽モン』が横行した事を受け、対策を強化します。

【元副知事・木村 敬氏】
「海外の著作権対策をしっかりしようと海外分については少し手数料をもらおうということに方針転換した。楽市楽座から方針変えることになってとても批判されたけど、それをしないと海外にくまモンを出せないという思いがあった」

これまで「使用無料」としていた戦略を転換。海外販売分については使用料を徴収し、その収入を海外のブランド管理に充てました。
その結果、くまモンは世界中で愛されるキャラクターとなり、関連商品の売り上げは
累計でおよそ1兆4600億円に上っています。

【蒲島知事】
「熊本県に多くの幸せと利益が生まれた。これからも熊本が様々なことにチャレンジして、100年後も愛されるキャラクターへと成長することで熊本のにぎわいの送出、県民の総幸福量の最大化につながってもらいたい」

【後藤祐太アナウンサー】
「可能性は無限大ですか」
【蒲島知事】
「無限大、もっと多くの人がくまモンの共有空間の中に入り、自分の幸せと自分の仕事をくまモンと一緒にやることで世界中の人が参加できる。くまモンの輪はまだ伸びていくのではないか」

最終回の12日は蒲島知事の座右の銘の一つ、『逆境の中にこそ夢がある』という
言葉についてお伝えします。

テレビ熊本
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