子供たちの健やかな成長を願って!土佐の端午の節句を彩るフラフの制作が香南市で最盛期を迎えています。

川辺世里奈アナウンサーリポート「制作途中のフラフ、できあがるとこんなに大きいんです!」3枚を縫い合わせると、縦3メートル、横4.7メートルの巨大なフラフに!

香南市香我美町で江戸時代から続く吉川染物店では、端午の節句を前にフラフ作りが最盛期を迎えています。5代目の吉川毅さんが10本ほどの筆を使い分け絵に命を吹き込みます。

吉川毅さん「ここもベタっと塗ってもいいみたいなもんやけど、白をあえて残すことで、鼻の高低をイメージしてやりたいなと思って」

以前は注文の8割が巨大なフラフでしたが、近年はマンション暮らしの増加などで部屋に飾れる壁掛けタイプが8割を占めています。
吉川毅さん「健やかに元気に育ってほしいなという願いがあるわけやんか。だから(フラフの)大きい小さい関係なしに自分は手は抜かんわね」

吉川さんは大阪の大学に進学し、卒業後は香川でサラリーマンに。30歳を過ぎて一念発起し、家を継ぐ決意をしました。

吉川さんの先祖は元々は材木店を営んでいましたが、幕末に染物店になりました。きっかけは初代・吉川金太郎さんの”趣味”だったといいます。

吉川毅さん「いわゆる絵金なんかに絵を習ったりね。本業よりもそういうのが大好きやってね。
川辺「絵金さんの絵金ですよね?」
吉川「そう、あの人の弟子やった」

初代の吉川金太郎さんは香南市赤岡町に多くの作品が残る絵師・金蔵のもとで腕を磨きやがて染物に専念するようになったといいます。

時代とともに変わりゆくフラフの大きさやデザイン。最近は子供の干支を入れたものや”大きくなってほしい”という願いを込めて、クジラをあしらったフラフの注文も増えています。

吉川毅さん「(時代とともに)変わってきています。でも愛情は変わらないからね。子供がこれから元気で健やかに育ってほしいという願いは、一緒なんですよ。だからそれに応えられるように頑張りたいなって思って」

吉川染物店では5月末までにおよそ60枚を制作しその後はよさこい祭りに向けたフラフ作りが始まります。

高知さんさんテレビ
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