島根県松江市を代表する和菓子の一つ「山川」。「日本三大銘菓」にも数えられる伝統の和菓子にも時代の波が押し寄せています。顧客の要望に応えて「一口サイズ」のものが開発され、11日に報道関係者にお披露目されました。

日本三大銘菓にも数えられる松江の和菓子「山川」。茶人大名・松平不昧が好んだ銘菓で、お茶席だけでなく、紅白で縁起が良いことから祝いごとの席にも重宝されてきました。
創業約130年の和菓子の老舗、松江市の風流堂。「不昧公好み」の「山川」を大正初期に復刻し、それ以来、伝統の製法と味を守り続けています。
1枚入りは「はがきサイズ」で、手で割った時にできる自然な断面に、松平不昧は風流を感じ好んだということですが…。

岡部楓子アナウンサー
「山川に、新たなサイズが登場します。それがこちら、手に取りやすく、食べやすい特小サイズです」

12日発売される「山川古今」。従来の大きさでは食べきれないという購入客からの声を受けて誕生した一口サイズの「山川」です。発売を前に報道関係者にお披露目されました。

風流堂・内藤葉子社長
「お土産としても一口サイズのものとして食べやすいものにした。不昧公が楽しんだ、手で割るというところも残した、食べきりサイズを作ることにした」

大正時代、1918年に復刻されたはがきサイズの「山川」の9分の1ほど、一口サイズの「山川」4本がセットになっています。パッケージもオリジナルで、紅白の縁起の良さを際立たせました。

岡部 楓子アナウンサー
「しっとりとした口当たりで優しい甘さ。一人でも食べきることのできるサイズ感がいいですよね」

お披露目会では、幼い頃から親しんでいたという松江市の上定市長も試食しました。

上定 昭仁市長
「口の中でとろけて無くなる。お茶に抜群に合う」

構想から約10年かけて商品化した一口サイズの「山川」。不昧公好みの自然な切り口をどう再現するかなど、完成までには試行錯誤を繰り返したということです。

風流堂・内藤葉子社長
「職人の技、切る力加減とか、水分量とかで出来が変わってくる」

風流堂では5月から、松江市の本店内で「山川」の製造の様子を見学できる機会を月1回設け、観光客などに茶どころ松江の伝統に触れてもらうことにしています。

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。