北陸新幹線の県内開業からまもなく1カ月を迎えます。杉本知事は11日の会見で、開業した3月16日から31日までの期間に県内の新幹線駅周辺を訪れた人の数が、前年から約3割増加したとの結果を発表しました。特に、関東地方からの来県者が大きく伸びています。そうした中、新幹線の開業効果を持続させるためには、今後、宿泊施設の確保や観光コンテンツの強化が課題になると話しました。
        
杉本知事:
「全国からの来訪者が増加した。特に関東からの来訪者が増加している」
    
杉本知事は11日の定例会見で、北陸新幹線県内開業後の効果について発表しました。県の推計によると、3月16日から3月末までの16日間で、JR北陸本線の時代と比較できる、芦原温泉、福井、敦賀の三つの駅の周辺を訪れた人の数は、合わせて38万2千人で、前年の同時期から8万9千人増加しました。特に、関東圏からは7万1千人が訪れていて、約7割増と大きく伸びました。

杉本知事は新幹線の開業効果を評価した上で、効果を持続させるために必要なことについて「次はお金を落としてもらうのが大事ということで、宿泊施設を強化していく。新幹線の効果は開業日にピークが来るのではなくこれからずっと上がっていく」と話し、今後も、県として宿泊施設の整備や、観光コンテンツの強化を支援していく考えをあらためて示しました。
        
杉本知事は、今後強化するポイントのひとつに「県内の滞在時間の延長」や「宿泊者の増加」を挙げました。県が公表している県内の「ホテル・旅館・民宿」など宿泊施設の収容人数は、最大で1日3万5000人ほどで、嶺北を市町別にみると、福井市とあわら市が6000人を超える収容能力がある一方、恐竜博物館のある勝山市や新幹線駅のある越前市は1000人を下回っています。
  
福井県は、主だった観光地が点在していることもあり、各観光地の近くに十分な施設がないと、結局、宿泊は他県へということも考えられます。
  
また「泊まりたい宿泊施設」かどうかも大事です。県外で泊まる流れを変えていくには、福井で泊まる方がいいと思ってもらうことも大切です。
 
現在、県内では、勝山市に星野リゾート系のホテル、永平寺町の「ESHIKOTO」では宿泊施設を備えたレストラン・オーベルジュなどの開業も控えています。
 
増加する来県者を宿泊につなげ、「もうかる観光地」とする取り組みが求められます。
       

福井テレビ
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